喫茶店とキッパ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

喫茶店は、お茶を飲む店のことですよね。ティールームとも言います。
喫茶店とカフェ。これは同じものでしょうか。また、別のものなのでしょうか。
たとえば。銀座に「ウエスト」がありますね。あの「ウエスト」はカフェなのか、喫茶店なのか。やはり「ウエスト」は喫茶店で、カフェではないと思います。
「喫茶店」は昭和語、「カフェ」は令和語。そんなふうにも言えるのかも知れませんが。

🎶小さな喫茶店に はいった時も二人は お茶とお菓子を前に

『小さな喫茶店』、流行りましたねえ。もともとは1928年に、ドイツで生まれた曲なんだとか。タンゴ調の歌謡曲。たしか菅原洋一も歌っていたような記憶があります。

あの銀座の青い柳のかげの白い瀟洒な喫茶店の椅子に寂しい孤独の身をなげかけて

北原白秋が、昭和八年に発表した『桐の花』に、そんな一節が出てきます。
その時代の銀座には、柳の並木が名物だったそうです。同じ詩の中に。

さうして無論流行の背広着てお馴染みのカツフエに苦い珈琲を啜り

とあります。北原白秋の頭の中には、やはり喫茶店とカフェは別物だったのでしょう。

カフェが出てくる小説に、『内なるゲットー』があります。2019年に、サンティアゴ・H・アミゴレナが発表した物語。

「カフェに入ると、捜すまでもなくカウンターの向かいの小円卓に親友アリエル・エデルゾーンの巨体が目に入った。」

場所は、ブエノスアイレス。1940年9月13日のことと、設定されています。また、『内なるゲットー』には、こんな文章も出てきます。

「………親戚がキッパをかぶり、三つ編みをさげ、全身黒ずくめで訪ねてきたときおぼえた違和感も憶えていた………」

「キッパ」kippa は頭にぴったりとかぶる縁無帽のこと。ユダヤ人が愛用する帽子でもあります。
どなたか日本人に似合うキッパを作って頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone