クルミは、木の実のひとつですよね。美味しいものです。なにかにちょっと粉にして振りかけると、味がいっそう豊かになってきます。
クルミは言葉遊びにも欠かせませません。「ミルクにクルミ」は、回文になっています。上から読んでも下から読んでも、「ミルクにクルミ」ですよね。
日本でのクルミの故郷は、信州なんだそうですね。長野県御市は、クルミの一大産地であります。東御市と書いて、「とうごし」と訓むのですが。
なにしろ十七世紀には、クルミがこの地に伝えられているというのですから、古い歴史があります。
クルミと宮沢賢治も大いに関係があるのです。宮沢賢治はある時、北上川の岩場から、クルミの化石を発見しています。これは古代のクルミの化石だろうと学者も認めているとのことです。
クルミが出てくる物語に、『アンの愛の家庭』があります。1939年に、ルーシー・モンゴメリーが発表した小説。というよりも『赤毛のアン』と言った方が分かりやすいかも知れませんね。
「スーザンが、カエデ糖とクルミで飾ったケーキを、ひと切れ持ってきてくれた………」
物語の背景は、カナダですから、メープルシロップのことなんでしょう。たしかにクルミとメープルシロップもよく合うでしょうね。
また、『アンの愛の家庭』には、こんな描写も出てきます
「スーザンは姪のグラディスのために、アイリッシュクロシェットのレースで、襟を編んでいるところだったが………」
ここでの「クロシェット」crochet は、鉤編みのことです。特別の鉤針を使って編むので、「鉤編み」。
ニット・タイは、ふつう、クロシェットで仕上げられるものです。ことに絹のニット・タイは応用範囲の広いものであります。
どなたか「絹鳴り」のするようなニット・タイを編んで頂けませんでしょうか。