ブーゲンビリアと靴

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ブーゲンビリアには、美しい花が咲きますよね。紫のような、紅いような。赤紫色とでもいえば良いのでしょうか。
ブーゲンビリアの原産地はブラジルなんだとか。それで、温かい所が好きな花なのでしょう。でも、温室に入れてあげれば、寒い所でも立派に花を開いてくれます。
ブーゲンビリアはアメリカ、ロサンジェルスでもよく見かける花。サン・クレメンテではブーゲンビリアが、「市の花」になっているとか。それほど有名なんでしょう。
ブーゲンビリアの話が出てくるミステリに、『黒い瞳のブロンド』が。2014年に、ベンジャミン・ブラックが発表した物語。これはレイモンド・チャンドラーへのオマージュになっていて、フィリップ・マーロウが主人公なんですね。
マーロウがあるクラブの支配人を訪ねると、物識りの支配人で、ブーゲンビリアの由来について語る場面が。
それによると、ブーゲンビリアを発見したのは、ジャンヌ・バレという女性だったという。フランス人、ルイ・アントワーヌ・ブーガンヴィルが世界探検の旅に出て、ブラジルに。この船に、ジャンヌ・バレは男装して乗り込んでいたのです。ジャンヌ・バレは、提督に同行した植物学者、フィリベール・コメルソンの友だちだったそうですね。
しかし。船長の、ブーガンヴィルの名前から、ブーゲンビリアになったのでしょう。『黒い瞳のブロンド』には、こんな描写も。

「この時は、薄い色のリネンのダブル、緑色のシャツと緑色の絹のネクタイに、茶色と白色のツートンカラーのウィングティップスを履いていた。」

これはとあるハリウッド撮影所の保安係、ハル・ワイズマンの着こなし。「茶色と白色の……」。これはたぶん、スペクテイターズ・シューズなんでしょう。時代背景は、おそらく1940年代。
茶と白ではありませんが。コンビの靴を履いて。ブーゲンビリアを観に行きたいものですが。

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