スコーンは、美味しいものですよね。スコーン自体は、簡素なパンという印象。でも、簡素であるがゆえに、なにかを添えたくなってくるわけですが。バターだとかマアマレエドだとか。結局、自分好みの菓子にもなってくるるのでしょうね。
スコーンは sc on e と書くんだとか。ほんとうは「スコウン」に近いとも。むかし英文学の先生だった福原麟太郎は、昭和十年に発表した『春興倫敦子』の中で、「スコウン」と書いています。
では、アメリカでスコーンは何というのか。「ビスケット」。biscuit
は、アメリカでは「ビスキット」の音に近くなるようですが。まあ、所変れば名が変るのでしょう。
アメリカ英語も難しいのですが、スコットランドのゲール語も難しい。
英語で、「タータン」と言いますが。ゲール語では、「ブレッカン」
br e ac an 。br e ac an と書いて「ブレッカン」と訓むらしい。私にはちんぷんかんぷんであります。
スコットランド語が出てくるミステリに、『ロシア・ハウス』があります。1989年に、英国人の、ジョン・ル・カレが発表した物語。
小男には、ロシア語風アクセント、オリファントには重苦しいスコットランド人の語調を使った。
これは、バーリーという人物の会話について。バーリーは、出版社の社長という設定。
発音といえば、こんな説明も。
「しまりのないイースト・コースト風アメリカ英語だった。」
これはCIAの局員、ジョニーのしゃべり方について。ということはイギリス英語はしまりすぎているのでしょうか。
『ロシア・ハウス』には、こんな話も。
「男性は特別の衣料店利用の特権をしめす、着痩せするフランス仕立ての光沢あるスーツ。」
これは、当時のロシアの高官の服装。1980年代においては、ロシアのスーツとヨオロッパのスーツとが違っていたことが、窺えるでしょう。
要するに「スリム」に見せるかどうかにかかっていたのですが。
まあ、それくらいに、「スリムに見せる」のは大切なことだし、また、難しいことでもあるのでしょうね。