キティは、子猫のことですよね。Kitty と書いて「キティ」と訓むんだそうです。
「キティ」の英語は、1719年頃からのものなんだそうです。もともと古い英語に「キット」kitがあって、「子猫」。これをさらに可愛いらしく言って、「キティ」になったんだそうです。
子猫が大きくなりますと、「キャット」cat 。キャットにも、また「猫」にもいろんな意味があるんだそうですね。
いつもお世話になっています『日本国語大辞典』を開いてみますと、ざっと三十くらいの「猫語」が出ています。
たとえば、「猫に鰹節」。猫は鰹節が大好きですから。
あるいは「猫」には藝者の意味もあるんだとか。藝者といえば三味線。三味線は猫の皮でできているからなんだそうですね。
「狂言に猫をちょっと嚥んで騒がせるダルマもある。」
昭和十四年に、井伏鱒二が発表した小説『多甚古村』に、そのような一節が出てきます。
ここでの「猫」は、猫いらずのこと。ねずみ退治に使う薬のことです。
井伏鱒二の『多甚古村』に、こんな文章が出てきます。
「………スフの着物の下前を下げて着用し………」
これも藝者の着方として。ここでの「スフ」は、ステープル・ファイバーの省略した言い方。つまり、化学繊維のことなのです。
キティが出てくる小説に、『息子と恋人』があります。
1913年に、英国の作家、D・H・ロレンスが発表した物語。
「アニーがはいってきて、それからレオナード、アリス、キティが続いてはいって来た。」
これは新しい家に、人々がやって来る様子。
また、『息子と恋人』には、こんな一節が出てきます。
「………パンを厚くふた切れ切ってバタをつけ、それを白いキャラコのスナップ・バッグに入れ、錫のびんに茶を満たした。」
ここでの「キャラコ」は、平織綿布のこと。昔は「カナキン」とも呼ばれたものです。もちろんシャツの生地としても用いられたものです。
英語の「キャリコ」calico は、昔、インドのキャリカット港から船出した積荷の一つだったところから、その名前が生まれたと、考えられています。
どなたか極上のキャラコでシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。