ロバートとローファーズ

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ロバートは、男の人の名前にもありますよね。ロバート・キャパだとか。
スコットランドの詩人でロバートといえば、ロバート・バーンズでしょう。ロバート・バーンズはスコットランドの国民詩人として親しまれています。これほど国民に親しまれた詩人も珍しいのではないでしょうか。
ロバート・バーンズは1759年1月25日に、スコットランドのエアに近いアロウエイに生まれています。
日本の唱歌に、『故郷の空』がありますね。

♪ 夕空晴れて 秋風吹き

そんなふうにはじまる懐かしい歌。あの『故郷の空』の原詩は、ロバート・バーンズの『ライ麦を通ってきて』だと考えられています。作詞は明治の詩人、大和田建樹(おおわだ・たけき)なのですが。
『蛍の光』がもともとスコットランド民謡であるのは、よく識られているところでしょう。そしてこの民謡の歌詞を完成させたのも、ロバート・バーンズだったのですね。
毎年の1月25日は、「バーンズ・ナイト」として祭の日になっています。この「バーンズ・ナイト」に欠かせないのが、ハギスとスコッチ・ウイスキイ。ハギスはスコットランドの郷土料理。

しかし、天使様、あなたが感謝の祈りをお望みなら、スコットランドに、与えたまえ、ハギスを!

ロバート・バーンズは『ハギスのために』と題する詩の中に、そのように詠んでいます。
数多いロバート・バーンズの詩の中でもっとも有名なのが、『タム・オ・シャンタ』。これはシャンタ村のタムという意味なのですが。
1790年に、グロース大佐という考古学者が、ロバート・バーンズに依頼して生まれた詩なんだとか。当時アロウエイで廃墟になっていた教会を詠んで欲しいというのが、その依頼だったのです。
ロバート・バーンズは、ニス川のほとりで一日で『タム・オ・シャンタ』を仕上げたと伝えられています。
詩の内容は、シャンタ村のタムが、ふとしたことから、教会の妖精に追われて馬で逃げる話になっているのですが。
このロバート・バーンズの『タム・オ・シャンタ』の詩から生まれた帽子の名前が、タモシャンターなんですね。
今、スコットランドのアロウウエイに行きますと、「タム・オ・シャンタ・イン」という名の宿があるんだそうですね。

ロバートが出てくる読物に、『ブロードウェイ物語』があります。1990年に、ロバート・ヴァイガス、バイオーク・リー、トミー・ウオルシュ三人の共著。
これはブロードウェイの人気ミュウジカル『コーラスライン』の裏話を集めた本になっています。
著者のひとり、ロバート・ヴァイガスは、演劇評論家。

「あとでトミーは、ぼくがグッチのローファーをはいていたと言ったけれど、それは間違いだ。」

これは演出助手のリライグ・ウイルソンの言葉として。ここでの「トミー」は、ダンサーのトミー・ウオルシュのことなのですが。

「ローファー」は、『OED』によりますと、1939年頃から用いられているとのことです。ごく簡単に脱いだり履いたりができる靴のこと。
どなたか1930年代のローファーズを復元して頂けませんでしょうか。

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