ウェルズとウインド・キャッチャー

ウェルズは、人の名前にもありますよね。

たとえば、英国の作家に、H・G・ウェルズがいるように。

もちろん、ハーバート・ジョージ・ウェルズのことです。

Wells と書いて「ウェルズ」と訓むのですが。

H・G・ウェルズは1866年9月21日に、ケント州に生まれています。

H・G・ウェルズは「SF小説の父」と言って良い人物。

1895年には、『タイム・マシン』を発表しているのですから。

また、1897年には、『透明人間』をも書いているのですね。

たまたま同じ姓なのですが、アメリカの映画俳優、オーソン・ウェルズは、こんなふうに言っています。

「十八世紀の始めごろに生まれた、考える習慣を持っている人々は、みな何らかの意味でウェルズの大きな影響を受けている。」

これは1945年になっての、H・G・ウェルズについての言葉なのですが。

1898年に、H・G・ウェルズが書いた短篇に、『奇跡をおこせる男』があります。

その男の名前は、ジョージ・マクワータ・フォザリンゲー。

三十歳の男。もちろん小説の上での話なのですが。

この中に。

「彼が命令すると、たちまち黒ビールと溶かしチーズ料理があらわれた。」

これは偶然、友人に会って。その友人が黒ビールと溶かしチーズ料理が食べたいと、言ったので。

ここでの「溶かしチーズ料理」は、英国人のよく食べるウエルシュ・ラビットではなかったでしょうか。

H・G・ウェルズはなにもSF小説ばかり書いていたわけではありません。

やや自伝的小説をも書いているのですね。『ポリー氏の人生』がまさにそれであります。1910年の発表。

『ポリー氏の人生』を読んでおりますと、こんな描写が出てきます。

「数人の客が、もっぱら水着とカンカン帽留めを買いにやってきた。」

この背景は、ある洋品店に置かれています。

若い頃のH・G・ウェルズは、洋品店で働いていた経験があるので。

ここでの「カンカン帽留め」は、「ウインド・キャッチャー」のことかと思われます。

風で帽子が飛ばされないための工夫。

細く、長い紐の先に小さなボタンが付いていて。このボタンを上着の襟穴に留めておくと、遠くまで帽子を拾いに行く必要がないもの。

どなたかウインド・キャッチャー付きのボーターを作って頂けませんでしょうか。