チャンドラーとハンチング

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チャンドラーといえば、レイモンド・チャンドラーでしょうね。
チャンドラーは、1888年7月23日。シカゴに生まれています。が、1900年にはイギリスへ。ふたたびアメリカに帰るのが、1912年のこと。チャンドラーの話し方は、まるで英国人のようだったと、伝えられています。
チャンドラーのはじめての長篇が、『大いなる眠り』。名作ですよね。『大いなる眠り』には、チャンドラーならではの、名科白がたくさん出てきます。
その名科白にはハリウッドも注目していたようで。一時期パラマウント映画で、脚本を書いていたこともあります。
たとえば『深夜の告白』では、かのビリー・ワイルダーと共同で脚本を書いたり。あるいはヒッチコック映画では、『見知らぬ乗客』があります。『見知らぬ乗客』は、パトリシア・ハイスミスの原作を、レイモンド・チャンドラーが脚本にしたものなんですね。
『見知らぬ乗客』には、ヒッチコックのお嬢さん、パトリシア・ヒッチコックも出ています。『見知らぬ乗客』のなかに、小道具としてのライターがとうじょうする。そのライターには「AからGへ」と刻印されている。妻のアンが、夫のガイに贈ったライター。これがちょっとした伏線になっていて。
ところが『見知らぬ乗客』は、アメリカ版と、イギリス版とでは結末が違っているんですね。『見知らぬ乗客』が公開されたのは、1951年。
1951年に発表された小説が、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。もちろん、J・D・サリンジャー。この中に。

「その日の朝にニューヨークで買ってきた帽子をかぶった。ひさしがもにすごく長い赤いハンティング・ハットだ。」

主人公で、語り手の、ホールデン・コールフィールドの被る帽子。ヴァイザーの長い、赤いハンチング。いいですね。
ハンチングを被って、チャンドラーの古い本を探しに行くとしましょか。

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