チョコレートとクリース

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チョコレートは美味しいものですよね。
チョコレートを日本ではじめて売出したのは、風月堂。そんな説があるんだとか。明治十一年十二月二十五日に。
なんでも「猪口令糖」の字を宛てたそうですが。このチョコレートとは別に、「ボンボン」もほぼ同じ時期に。
チョコレートよりも少しはやいのが、ビスケット。ビスケットは明治十年七月。これも、風月堂で。
この頃の風月堂の主人は、米津松造。米津松造の息子さんがある時、病に。と、横浜からの見舞客があって。外国製のビスケットを持ってきた。このビスケットをもとに研究を重ねて、ついに完成。
一方、「ボンボン」。「ボン」はフランスでの、「良い」ですから、「良い良い」でしょうか。
そういえば昔、「ウイスキー・ボンボン」があって。チョコレートの中にウイスキーふうの甘いリキュールが入っていて。それはそれはハイカラなお菓子でしたね。
ボンボンが出てくる随筆に、『簑田先生』が。寺田寅彦が、昭和六年に書いた名文。

「海を見ながら先生の葉巻きを吹かし、風月のボンボンをかじり……」

これは寺田寅彦が簑田先生の別荘に滞在した時の話なんですね。
簑田先生は、英語の先生。明治二十年ころ、寺田寅彦は簑田先生に英語を教わったという。

「服装は著しくスマートなものであった。ズボンの折り目がいつでもキチンときわ立っているだけでも……」

トラウザーズのクリース ( 折り目 )はいつもキチンとしておきたいものです。
さて、クリースのあるトラウザーズで。チョコレートを食べに行くとしましょうか。

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