リーダーズ・ダイジェストは、アメリカの雑誌ですよね。アメリカの雑誌ではあるのですが、世界中で読まれている雑誌でもあります。
『リーダーズ・ダイジェスト』は1970年代に。合計で、2,900万部の部数に達した雑誌。もちろん、売上げの第一位でありました。
『リーダーズ・ダイジェスト』を考えたのは、デ・ウイット・ウォーレスという人なんだそうですね。デ・ウイット・ウォーレスは、第一次大戦でケガをして、病院に、病院で、退屈で。いろんな雑誌の、面白いところだけが読めたなら。そう思いついたんですね。
『リーダーズ・ダイジェスト』が創刊されたのは、1922年2月5日のことだったそうです。この時の発行部数、1,500部だったという。ウォーレスの方針は、面白くて、ためなる記事を、転載することだったわけです。
1929年には。『リーダーズ・ダイジェスト』、200,000部達成。『リーダーズ・ダイジェスト 日本語版』は、1946年からはじまっています。でも、今、現在は出ていませんが。当時、リーダーズ・ダイジェスト・ビルは竹橋にあって。ここの庭園を設計したのが、イサム野口だったのですが。
もっとも『リーダーズ・ダイジェスト』以前に、似たような雑誌がなかったわけでもありません。たとえば、『リテラリー・ダイジェスト』。これはむかし、NYで出ていました。1890年の創刊。
1890年の倫敦で幕を開けるミステリに、『娼婦殺し』があります。1996年に、アン・ペリーが発表した物語。この中に。
「カフスボタンだって片っぽだけですー っていうか、片袖ぶんの二枚。椅子のクッションの後方にありました。」
「片袖ぶんの二枚」ということは。古典的な、上下一対のスタイルになっているカフ・リンクスなんでしょう。このカフ・リンクスには、「F・F・J」と刻印されていて。事件を解く鍵に…………。
それは、さておき。1890年代には、上下一対のデザインが主流だったことが分かるでしょう。ディスクが二枚あって、その間を細い、小さな鎖でつないであって。
そんなクラッシックなカフ・リンクス、ひとつくらい持っていたいものですね。