断髪とドンゴロス

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断髪という言葉がありますよね。もし「断髪」が古いとおっしゃるなら、「ボブ」とでも言い換えましょうか。
女の命は黒髪で。昔の女の人は長ければ長いほど優美とされたものであります。女の髪に革命が起きたのは、1920年代のことだったと考えられています。1926年頃に、舞踏家のイサドラ・ダンカンがヴェリーショートの髪型に。ここから女性の断髪が流行るようになったんだそうですね。
ボブはなにもイサドラ・ダンカンの専売特許でもなくて。英国の作家、ヴァージニア・ウルフも、断髪にした時期があります。1927年に。ヴァージニア・ウルフ、45歳の時。ヴァージニア・ウルフはこの年にはじめて自転車を買っています。もしかすれば自転車い快適に乗りこなすために、髪を切ったのかも知れませんが。とにかく、1927年、ヴァージニア・ウルフの短髪は世間の話題になったものです。
ヴァージニア・ウルフが長篇、『灯台へ』を発表したのが、同じく1927年の5月のことです。『灯台へ』は、スコットランドの孤島が物語の背景に選ばれています。原題は、『トゥ・ザ・ライトハウス』。
他人の空似はよくあることで。堀田善衛の短篇にも、『燈台へ』があります。堀田善衛の『燈台へ」は、1952年の発表。これは、三浦半島の浦賀が、物語の舞台になっています。小説のなかには、「K岬燈台」として出ています。このK岬燈台の、燈台守りを訪ねる話になったいます。当時の、浦賀の鄙びた様子が巧みに描かれていて。1950年頃の浦賀ならぜひ再訪してみたいところですが。
堀田善衛が、1955年に刊行した小説に、『記念碑』があります。ただ、時代背景は、戦後間もなくの時に設置されているのですが。この中に。

「半焼けの米をかつぎ出したんだけど、ドンゴロス一杯よ、凄い力でしょう。」

ドンゴロスは、粗い、麻布、またはそれで作った袋のことですよね。ドンゴロスは和製英語で、実は「ダンガリーズ」から出ているんだとか。
ドンゴロスはさておき。「ダンガリー」なら、スーツでも仕立ててみたいものですが。

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