ウルワースとウィージャンズ

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ウルワースは以前アメリカにあった百貨店ですよね。今もオーストラリアのスーパーマーケットとして存在しています。
ウルワースが出てくるエッセイに、『チーズバーガー』があります。『チーズバーガー』は、1985年に、ボブ・グリーンが発表したエッセイ集。

「なにがウールワースの真向いにあるんだい?」と私は聞いた。」

ボブ・グリーンはある日、一大決心をして、「アラモ」に行こうと思う。「アラモ」はアメリカ人にとっての古戦場。よほどの決心をしないと行かれるものではありません。無理矢理日本人に置き換えるなら、高野山でもありましょうか。
突然、ふっとボブ・グリーンは高野山に行こう、と思い立つ。いや、「アラモ」なのでありますが。で、自分の住まいのドア・マンに訊く。
「アラモは、どうやって行くんだい?」 それに対するドア・マンの答えが、「ウールワースの真向い」だったのです。
でも、それはアラモはアラモでも、アラモの出店だったのです。模擬店、案内所。それでボブ・グリーンががっかりする場面なんですが。
ボブ・グリーンは『チーズバーガー』の中で、自分自身の服装についても語っています。

「コーデュロイのズボンにブルーのブレザーを着て、靴はあくまでもウィージャン。」

ボブ・グリーンはいつでも変わることなく、このスタイルだと、強調しています。ここでの「ウィージャン」は、「ウィージャンズ」かと思われます。靴なので、複数形になります。「ウィージャンズ」と。
ウィージャンズは、アメリカの「バス」社の商標で、「ノーウィージャン」から来ています。もちろん「ノルウェイ人」の意味。
1936年、バス社が、ノルウェイのモカシンを参考に仕上げたので、その名前があります。結局アメリカ人のいう「ウィージャンズ」は、ローファーのことなのです。それちょうど、デニムのことを、「リーヴァイズ」と呼ぶのによく似ています。

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