オークニーとオックスフォード・シューズ

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オークニーは、スコットランドの地名ですよね。オークニー諸島のことです。
オークニー諸島は、ざっと七十の島々で構成されているんだとか。
オークニー諸島の緯度は高く、夏には白夜に近い光景が見られるという。全体でも人口は、
約二万人。静かで美しい町なのでしょう。
1887年に、オークニーで生まれた詩人に、エドウイン・ミュアがいます。エドウイン・ミュアは、オークニー本島に生を受けた人物。ただしミュアが十四歳の頃、スコットランドのグラスゴーに移っているのですが。
その後、ミュアは三十歳になって、倫敦へ。倫敦では作家活動の一方、教壇に立っていたらしい。
1934年。スコットランドのエディンバラで、「国際ペンクラブ」の会議が。この時、
司会を務めたのが、エドウイン・ミュア。
「それでは……………」というので、故郷でもあるスコットランドをひさびさに訪ねる。
その時の記録が、『スコットランド紀行』なのです。
1935年に出版されています。

「あのギリーは素敵ね」という言い方が、スコットランドではこのような気質の共有者に対して使われる。

ミュアの『スコットランド紀行』に、そのような観察が出てきます。
「ギリー」 gh il l i e はもともと「若者」、「従者」、「案内人」の意味であるとのこと。
でも、イングランドからスコットランドに観光に来た人たちは、テキパキ、キビキビと動いてくれる人への形容として、よく「ギリー」というのだそうです。
「ギリー」は私たちにとっては解放的な靴のスタイルのことでもあるのですが。
1908年に、カナダ、オンタリオ州に生まれた経済学者に、ガブレイスがいます。
ジョン・ケネス・ガブレイス。一時期、ケネディ大統領に乞われて、インド大使をも勤めた人物。
しかしガブレイスはスコットランド系で、ご本人も強くそのことを意識していました。
1963年に、『スコッチ気質』を書いたのも、その表れであったでしょう。この中に。

「土曜の夕方になると、彼らはピカピカに磨いた黄色いオックスフォード靴をはき、ふくらんだズボンに、J・L・ハドソン製ネクタイ、時には独創的な色彩ゆたかな山高フェルト中折れ帽といういでたちで、ダトンへ凱旋してきた。」

「ダトン」は、「ダットン」とも。カナダの街の名前。
オックスフォード・シューズは紐結び式の靴のこと。いわゆるバルモラルや、ブルーチャーも、オックスフォード・シューズの仲間であります。
オックスフォード・シューズは実際にオックスフォード大学と関係があります。十七世紀末、オックスフォード大学近くの靴屋が紐結び式の靴を作ったとの説があります。もちろん、当時の学生たちがいち早く履いたのでしょう。
その時代の紳士はむしろ短靴ではなくブーツが正装で、しかも紐結びは略式とされたのでありますが。
その略式靴を、選良であるオックスフォード生が履いたので、話題になったのです。
どなたかピカピカに磨きたくなるオックスフォード・シューズを作って頂けませんでしょうか。

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