Oとオックスフォード・クロス

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Oは、15番目のアルファベットですよね。数字のOとも似ています。
このOと関係ある作家に、O・ヘンリーがいます。当のご本人が、O・H enry の筆名を使ったので、O・ヘンリー。もちろんオー・ヘンリーと書くこともあります。
O・ヘンリーが、1905年に発表して『賢者の贈り物』は、たぶんお読みになったことがおありでしょう。
また、『最後の一葉』を涙流すことなく読める人は、稀であります。O・ヘンリーは間違いなく、短篇小説の名人と呼ぶべきでしょう。
O・ヘンリーは小説の質もさることながら、数も多く書いています。
1904年には、66篇もの短篇を書いているのです。
ただし、O・ヘンリーの人生は、それほど長くはありませんでした。
1910年6月5日。四十七歳で、世を去っています。O・ヘンリーは、必ずしも品行方正ではありませんでした。ことに酒がお好きで、一日に二本のウイスキイを空けたとも、伝えられています。
たしかにO・ヘンリーは酒に負けたのかも知れません。でも、多くの「遺産」を遺してくれました。今なおダイヤモンドのように輝く名作の数々を。
たとえば、『虚栄と毛皮』と題する短篇に、こんな一節があります。

「このスーツだって、六十五ドルがところかかってんだぜ。紳士の服てえのは、こういうのをいうんだ。」

これは主人公の、キッドの科白。1900年代はじめのニュウヨークで、れっきとしたスーツなら65ドル前後であったことが、窺えるでしょう。今から百二十年ほど前の話。今なら、65万円ほどでしょうか。
Oが出てくるミステリに、『ブルー・リング』があります。1993年に、A・J・クィネルが発表した物語。

「ジャッキー・Oへの出入り口は長い天蓋つきの歩道になっている。」

この「ジャッキー・O」は、ディスコティックという設定になっているのですが。
また、『ブルー・リング』には、こんな描写も。

「明るいオックスフォード・コットンのシャツと黒のカシミアセーターの上にツイードのジャケットを着ていた。」

これは物語の主人公、クリーシィの装い。たぶん、オックスフォード・クロスのシャツなのでしょう。
オックスフォード・クロスがはじめて織られたのは、1635年のことと記録されています。イングランドに移住したフランドルの織り手が、各有名大学の名前をつけたのに、はじまっているのです。「ケンブリッジ」もありましたが、今は忘れられています。
スポーティなシャツ地には、最適です。
オックスフォードのシャツを着て、O・ヘンリーの初版本を探しに行くと、しましょうか。

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