ギネスとキャメル

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ギネスは、アイルランドの黒ビールのことですよね。世界に黒ビールはたくさんあります。でも、黒ビールといえば、ギネスを想い浮かべる人は少なくないでしょう。
ギネスは世界中で、1000万杯飲み干されているそうです。もちろん、一日に。年間でもうしますと、20億パイントという数字になるんだそうですが。
なぜ、ギネスはそれほどまでに愛飲されるのか。ひとつには、健康に良いという印象があるからでしょう。

「ギネス・グッド・フォア・ユウ」

この広告文を考えたのは、後の推理作家、ドロシー・l・セイヤーズだったと伝えられています。
ギネスは1759年のダブリンではじまったという。1759年12月31日に。アーサー・ギネスによって。この時、アーサー・ギネスは三十四歳でありました。
もう少し正確に申しますと。以前、ビール工場だった跡地全体を借り受けたのが、1759年の大晦日だったのです。但し、契約上は、9000年の借契約として。実際には、後にアーサー・ギネスが買い取っているのですが。

ギネスらしきものが出てくる小説に、『魔の山』があります。1924年に、トオマス・マンが発表した長篇。

「………毎日イギリス産の黒ビールをコップにたっぷり一ぱい飲ませるようにした。」

これは、ドクトル・ハイデキントが、少年のハンス・カストルプに対して。言うまでなく少年の健康を慮って。
前後の文章を読めば読むほど、この場合の「黒ビール」が、ギネスだったろうと思われてくるのですが。

トオマス・マンの『魔の山』には、こんな描写も出てきます。

「………夜だけでなく昼間も、冬外套とラクダの毛布が必要であって………」

これはサナトリュームでの療法のひとつとして。場所はスイス、ダヴォスの療養所だと、設定されています。
「ラクダの毛布」。1920年代のスイスには、キャメルのブランケットがあったのでしょう。
キャメルはらくだ。上質の繊維が得られることでも知られています。
どなたかキャメル地のスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone