ブルジョアとブートン・ドルナマン

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ブルジョアは、中間階級のことですよね。中産階級とも言うんだそうですが。
もともとは資本家でもなく、労働者でもない、第三の身分の人を指す言葉だったそうですが。今はただ単に「お金持ち」といった方がはやいかも知れませんが。

「その美意識は、控えめで機能的、日常生活とさらには労働にも適合することにあった。」

2013年に、フランコ・モレッティが発表した『ブルジョワ』に、そのような一節が出てきます。つまり、当時は服装にも、「ブルジョアらしさ」があったというのですが。

ブルジョアが出てくる小説に、『縮図』があります。昭和十六年に、徳田秋声が発表した未完の長篇。

「部屋は離れの一棟を借り、何んなブルジョワかと思ふやうな贅沢ぶりだった。」

また、「白足袋に雪踏穿き」という説明も出てくるのですが。

ブルジョアが出てくる小説に、『アネットと罪人』があります。1824年に、フランスのオノレ・ド・バルザックが発表した物語。

「要するに、俺はパリのサン=ドニ街のブルジョワのようにごく普通の暮らしをし、あの娘と結婚したいのだ………」

これは「ジャック」の言葉として。
また、『アネットと罪人』には、こんな描写も出てきます。

「………きわめて大きなダイヤモンドがシャツに飾られていたことから、非常に裕福な人間であることがうかがえた。」

これはアネットの印象として。旅の途中に乗り合わせた男の様子について。
これはシャツに前の飾りボタンでしょう。英語でいうところの「スタッド」。フランスなら、「ブトン・ドルマン」bouton d `ornament
でしょうか。
どなたか小粒ダイヤのブトン・ドルマンを作って頂けませんでしょうか。

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