ブルターニュは、フランス西部の地域ですよね。ブルターニュには、ブルターニュ独自の文化が遺っています。
Bretagne
と書いて「ブルターニュ」と訓みます。ブルターニュから、ベレエを想う人も少なくないでしょう。やや大ぶりのベレエを「ブルターニュ・ベレエ」と呼ぶことがあります。これに対し小ぶりのベレエを「バスク・ベレエ」。
現在のブルターニュは、バスク・シャツでしょうか。たとえば、サン・マロの店などを覗いて見ると、ありとあらゆるスタイルのバスク・シャツが並べられています。
1847年に、ブルターニュを旅した作家に、フローベエルがいます。
「………リュックサックを背負い、鋲を打った靴を履き、こん棒を携え、パイプをくわえ、気まぐれな心を抱いて旅立つのだ。」
フローベエル著『ブルターニュ紀行』にそのように書いています。
フローベエルはこの旅のために、「薄絹のシャツ」三枚を、用意したとも書いてあります。このフローベエルの旅は、徒歩や、馬車が多かったのでしょう。
昭和十一年にブルターニュに足を運んだ学者に、斎藤清衛がいます。
「深くその親切を謝した私はバルザックの旧家の方に向った。」
斎藤清衛著『ブルターニュとノルマンディーへの旅』に、そのように書いています。
これは町の途中で、娘さんにバルザックの家を教えてもらったので。
ブルターニュが出てくる小説に、『ふくろう党』があります。1829年に、バルザックが発表した物語。
「ブルターニュの農民が自分で作る木靴をはいている者もいたが………」
また、『ふくろう党』には、こんな描写も出てきます。
「シャツのえりはハート型や錨をかたどった銀のボタンでとめてある。」
銀のボタン。フランスなら、「ブトン」bou ton でしょうか。
どなたか銀のブトンが似合うブレイザーを仕立てて頂けませんでしょうか。