勝手にしやがれとカノティエ

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『勝手にしやがれ』は、フランス映画の題名ですよね。
フランスの映画監督、ゴダールの出世作。1959年のことです。
ジャン・リュック・ゴダールは、1930年12月3日に生まれています。
『勝手にしやがれ』の原題は、『ア・ブウ・ド・スーフル』。「息を切らして」くらいの意味でしょうか。うーん、映画だけでなくタイトルは大事なんでしょうね。
『勝手にしやがれ』の題名だからこそ、ヒットした、そんなふうに言いたくなってくるほどに。
映画『勝手にしやがれ』は、モノクローム。日本版は、字幕付き。翻訳者は、秘田余四郎。『勝手にしやがれ』の名訳は、どなたの決断だったのでしょうか。

パリでの『勝手にしやがれ』の撮影は、四週間で終えています。8月17日から9月19日までの間で。
この撮影期間の短さは、照明とも関係しているのでしょう。いわゆる「ライティング」なしの撮影。自然光での撮影。そのために夜間などには、写真機用の高感度フィルムが仕様されたとのことです。
自然光での撮影。それは撮影自体に対しても同じことで。途中で野次馬が入ってきても平気でフィルムを回した。
たとえば、ラストシーン。男が倒れる場面で、それを見守るスタッフ。さらには、見物人も。でも、それらが一体となって、ひとつのシーンとなって完結しているのです。
ある時、シャンゼリゼで撮影があって。午前中で、撮影が終わって。かの有名な「フーケ」でランチを楽しんそうです。
つまり、フーケで食事できるくらいの少人数のスタッフだったということなんでしょう。

1961年の映画『5時から7時までのクレオ』に、ゴダールは出演しています。この時の映画衣裳として、ゴダールはカノティエをかぶっているのです。スーツのパピヨンを結んで。
「カノティエ」canotier がカンカン帽のことであるのは、言うまでもありません。「カノタージュ」canotage
から来た言葉。それは「舟を漕ぐ」の意味であったそうですね。
どなたか1960年代のカノティエを再現して頂けませんでしょうか。

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