えんどう豆は、グリーンピースのことですよね。
文字通り緑色の、小さい、球形の豆。
焼売の上に乗っていることもあります。
オムライスに入っていたり。
グリーンピースを茹でて、たっぷりのバターをからめて頂く。うまいものですね。
料理ばかりではなく、菓子に使われることも。
たとえば、「ふき豆」。これは山形の郷土菓子。グリーンピースを餡にしての菓子ですね。
「けさのスウプは、こなひだアメリカから配給になつた罐詰のグリンピイスを裏ごしして、私がポタージュみたいに作つたもので、」
太宰 治が、昭和二十二年に発表した『斜陽』に、そのような一節が出てきます。
なるほど。グリーンピースのポタージュというのもあるのでしょう。
「ヴィルピカタとグリーンピース、コンビネーション・サラダ食って出る。」
昭和九年六月四日、月曜日。古川ロッパの『日記』に、そのように出ています。これはレストラン「アラスカ」でのこと。
六月六日、水曜日にも、古川ロッパは「アラスカ」に。その頃の古川ロッパのお気に入りだったのでしょう。
『アンデルセン童話』のひとつに、『エンドウ豆の上に寝たお姫様』があります。
ある国の王子さまがお妃を探す話。その姫がほんとうに姫であるかどうかを知るために。そっと家来がシーツの下にエンドウ豆を。
翌朝、姫がおめざめになって。「背中が痛い」。
これでほんもの姫だとわかった。そんな内容になっています。
「翌朝、男は近くの米屋から四合十銭の米と、八百屋から五銭の青豌豆を買って来て、豌豆飯を炊いて、食べさせてくれました。」
昭和二十一年に、織田作之助が発表した『アド・バルーン』に、そのような一節が出てきます。
そういえば。えんどう豆の炊き込みご飯。ありますよね。
えんどう豆が出てくる小説に、『ホットミルク』があります。
2016年に、デボラ・レヴィが発表した物語。
「私は一時間かけて靴紐の問題を解決したというのに、結局ローズは大きなエンドウ豆くらいのナッツで転んだのだ。」
また、『ホットミルク』には、こんな描写も出てきます。
「両手が服の入った箱でふさがっていたので、彼は白いエスパドリーユを履いた片足を私の方に揺らして強調してみせた。」
ここでの「彼」は、マシューという人物。ソフィーから眺めてのマシューの仕種なのですね。
「エスパドリーユ」espadrille の底には今、縄が用いられます。
昔は、「エスパルト」espart という草一種が使われた。
そこで「エスパドリーユ」の言葉が生まれたのです。
どなた純白のエスパドリーユを作って頂けませんでしょうか。