ガウンは、ローブfことですよね。室内着。
全体にゆったりした単の羽織りもの。
パジャマの上にガウンを重ねることもあるでしょう。
「ナイト・ガウン」とか、「ドレッシング・ガウン」の言い方もあるように。
コットンのガウンもあり、ウールのガウンもあり、また、シルクのガウンもあります。
ウールのガウンなら冬にも温かい。シルクのガウンは年間通して着られるでしょう。
「彼女は皮膚のやや粗い肉の締まった素足をなが長々と二本、寛衣の下へむきだした。」
昭和三年に、龍肝寺 雄が発表した小説『放浪時代』に、そのような一節が出てきます。
龍肝寺 雄は「寛衣」と書いて「ガウン」のルビを添えているのですが。
ここでの「彼女」は物語の主人公「魔子」。魔子の兄が年を訊いている場面なんですね。
龍肝寺 雄の『放浪時代』は、出世作。雑誌「改造」の一等賞を受けて。そしてすぐ同じ年に続編の『アパアトの女たち』を書いているのですから。
「ガウン」が出てくる小説としては比較的はやい例ではないでしょうか。まったくの想像ですが、日本では大正時代から「ガウン」の言葉があったのかも知れませんね。
ガウンが出てくる小説に、『巨匠とマルガリータ』があります。1966年に、ミハイル・ブルガーゴフがは発表した長篇。
「シャツを着て素足にスリッパをつっかけ、肩に褐色のガウンをは羽織っていた。」
これは突然、部屋にあらわれた客人の様子として。
また、『巨匠とマルガリータ』には、こんな描写も出てきます。
「カーボーイ・シャツにしわくちゃの白いズボンに黒い運動靴という格好だった。」
これは詩人の、イワン・ニコラエヴィッチ・ポヌィリョーフの着こなし。
たぶん「カウボーイ・シャツ」のことかと思われます。
時に「ロデオ・シャツ」と呼ばれることもあるのですが。
ごく一般的なアメリカ人がカウボーイ・シャツを着るようになったのは、1920年代以降のこと。
これは「デュード・ランチ」(観光牧場)の影響からはじまったものです。まあ、言ってみれば「カウボーイごっこ」。
東部の人たちが休暇を観光牧場で過ごすのが、流行ったものです。
デュード・ランチは、1911年に、ラリー・ラロムがはじめたという。
ラリー・ラロムは偶然、ワイオミング州のコディーを訪れて。手つかずの大自然が遺されていることを発見。
ここに観光牧場を開いたのです。
どなたか本物のカウボーイ・シャツを仕立てて頂けませんでしょうか。