ハメットとトゥイード

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ハメットといえば、ダシール・ハメットでしょうね。ダシール・ハメットは一般にハードボイルド作家と知られています。というよりも、ハードボイルドの元祖でしょう。
ダシール・ハメットがいたからこそ、レイモンド・チャンドラーいた。少なくともチャンドラーがハメットを評価し、また尊敬していたことは間違いありません。
そしてもうひとつ。ハメットが根っからの洒落者であることも認めていたでしょう。私は勝手にハメットこそアメリカの作家の中でもっともダンディだった人物だと、思っています。
1934年に、『影なき男』刊行。原題は、『ザ・シン・マン』。この本の表紙には大きくダシール・ハメットの写真が。ダブルのスーツにソフト・ハット。かっこいい。
おそらくハメットのまわりの編集者もその洒落者ぶりを認めていたのでしょう。
ハメットがいかに洒落者であったかは、FBI も証明しています。1950年代のアメリカは「赤狩り」の時代でもあって、ハメットも共産党員ではないかと疑いをかけられる。で、徹底的に調べる。その結果分かったこと。
ハメットは、「トリプラー」、「A・サルカ」、「ブルーミングデール」、「アバクロンビー&フィッチ」などの常連であった、と。1950年代のNYでこれらの銘店で着るものを揃えていたということは、ダンディ以外には考えられない。
ダシール・ハメットが『デイン家の呪い』を発表したのが、1929年。1929年に英国で生まれたのが、ジャック・ヒギンズ。ジャック・ヒギンズが1989年に発表したのが、『地獄の季節』。

「乗馬用ズボンによく磨かれた茶色のブーツ茶色のドネガル・ツイードのジャケットとそれにおそろいの帽子……」

これは元判事のリーランド・バリー卿の着こなし。
なにかトゥイードはジャケットを羽織って、ハメットの本を探しに行くとしましょうか。

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