新幹線は1939年にはじまったとの説がありますよね。
1939年は、昭和十四年のこと。またの名前が、「弾丸列車」。
当時の鉄道省では、「新幹線」。でも、それを聞きつけた新聞記者が、「弾丸列車」として書いた。で、こちらもほうが有名になったという。
1930年代から「新幹線」に携わっていたひとりに、島 秀雄がいます。島 秀雄は天才肌の技術者。今なお、「新幹線の父」と呼ばれる人物。島 秀雄は戦前に、洋行をしたひとりでもあります。
その島 秀雄が戦後になって、パリに。パリで、島 秀雄がどうして食べたかったのが、アンディーブ。アンディーブは、野菜。時に、チコリとも、シコリとも。
島 秀雄が食べたかったのは、アンディーブのハム巻き。アンディーブをジャンボンで巻いて、天火で焼くだけ。あとは、フロマージュを添えて。典型的なフランスの家庭料理。島 秀雄、レストランで探して、なかなか見つからなかったという。
アンディーブの根は、コーヒーの代用としても。
「たいていのコーヒーには、シコレ(チシャの根の粉末) をまぜる。」
中村武志著『ふだん着のパリ』には、そんなふうに書いてあります。中村武志は、昭和四十一年に、一年ほどパリに住んでいます。その時、毎朝、宿から見学をしたんだそうですね。
宿は、「オテル・ノール・エスト」( 北駅ホテル) 。
「起きるや否や私は、浴衣の上にバーバリーのコートをひっかけて、椅子を窓際に寄せた。」
なるほど、それで見学が進んだのでしょう。バーバリーはいろんなところで役立ってくれますね。
もちろん、新幹線での旅のお供にも。