キルトと絹靴下

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

キルトは、スコットランドの民族衣裳ですよね。いわゆる「兵隊さんのスカート」であります。
キルトからすぐに想像するものに、バーンズがあります。スコットランドの国民詩人、ロバート・バーンズ。ロバート・バーンズは、1759年にスコットランドのエアシャーに生まれています。
スコットランドの人は皆、「ロビー」と呼んで、今なお愛されています。このロビーが生まれたのは、1月25日。この日は、「バーンズ・ナイト」とされて。スコッチとハギスで祝うことになっています。それこそ夜を徹して、飲む。この日だけは『蛍の光』は流されません。
日本のどこかでスコッチを飲んでいて。さりげなく『蛍の光』が聴こえてくると、「そろそろおしまいよ………」の合図であります。あの『蛍の光』の原曲は、古いスコットランド民謡の、『オールド・ラング・ザイン』。これに詞を添えたのが、ロバート・バーンズ。
『蛍の光』とは別に、帽子の「タモシャンター」の、ロバート・バーンズの詩から出たものです。シャンターに住むタムが魔女のマギーに追われという物語。このマギーが着ているのが、「カティ・サーク」というわけです。「短い服」の意味。今の言葉に直すなら、「シュミーズ」でしょうか、「スリップ」でしょうか。
それはともかく、シャンターのタムが、スコットランドの民族帽子を被っていたのは、間違いありません。
ロバート・バーンズと関係のある小説に、『故旧忘れ得べき』があります。高見 順が昭和十一年に発表した物語。この『故旧忘れ得べき』の冒頭に、ロバート・バーンズの詩が原文で掲げられているのです。たぶん高見 順はゲール語にも通じていたのでしょうね。この中に。

「彼の靴下が派手な模様の絹ものであるのに小関の眼がとまり…………」。

これに小関の友人で洒落者の、篠原という人物の靴下。しかも舶来の生地で仕立てた「夏洋服」を着ていて。
時には、絹靴下も履いてみたいものではありませんか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone