フォリオとブレイザー

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フォリオは、紙の大きさのことですよね。「フォリオ判」とも言います。一枚の紙を二つ折りにした大きさ。
「ポートフォリオ」は、もともとフォリオ判の用紙を入れて持ち歩くのに便利な鞄の意味だったようです。
フォリオはまた本をサイズを指すことがあります。「フォリオ本」は、フォリオ判に印刷された本のこと。たとえば、「ファースト・フォリオ本」だとか。これはふつう、シェイクスピアの初版本を意味するようですね。
シェイクスピアが多くの戯曲を書いたのは、言うまでもないでしょう。シェイクスピアの戯曲はもちろん、印刷もされています。ひとつの例を挙げるなら、1623年に「シェイクスピア全集」として刊行。これを一般に、「ファースト・フォリオ本」と呼ぶわけです。
シェイクスピアの「ファースト・フォリオ本」は、貴重この上もない書物。もしそれがオークションに出たなら、数億円の値がつくこと間違いないでしょう。
その昔、英國王のチャールズ一世が、追われて逃亡。ひそかに、小舟で、ワイト島へ。1647年11月11日のこと。この時、着の身着のままのチャールズ一世が小脇に抱えていたのが、シェイクスピアの「ファースト・フォリオ本」だったという。
今でも、シェイクスピア研究家にとっての「ファースト・フォリオ本」は、垂涎の的となっています。
それはともかく。フォリオが出てくる小説に、『緑茶』があります。『緑茶』は、1869年に、ジョセフ・シェリダン・レ・ファニュが発表した物語。

「 ほんもののベーラムに金文字を捺し、小口を紅で染めてある、立派なフォリオである。」

これはある人物の書架を眺めている場面。また『緑茶』には、こんな描写も。

「大きさは、ヨットに乗る人がよくジャケットにつける、真鍮のボタンぐらいの大きさなのです。」

これは、ある丸くて光る物を説明している場面。「ヨットに乗る人がよくジャケットに…………」。もしかすれば、ボーティング・ジャケットのことかも。
今のダブル前のブレイザーは、ボーティング・ジャケットが前身という説もあります。
さて、ダブル前のブレイザーを着て、シェイクスピアの「ファースト・フォリオ本」を眺めに行くしましょうか。

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