ボヴァリーとボット

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ボヴァリーは、マダム・ボヴァリーのことですよね。むろん、フランスの作家、ギュスターヴ・フロベエルの小説の題名であります。
1856年に発表された傑作が、『ボヴァリー夫人』。地方の医者の妻という設定になっています。
フロベエル研究者の間でも、いったいフロベエルがいつから『ボヴァリー夫人』を書きはじめたのかが、興味深く語られています。
それほどに、『ボヴァリー夫人』は巧みに設計された物語ということでもあるでしょう。

「昨日の夜、小説を書きはじめました。いまになって文体のむずかしさが見えてきて、恐怖に陥っています。簡明であることは、これでなかなか大変なんです。」

フロベエルは、当時親しい女性だった、ルイーズ・コレに宛てて、そのような手紙を送っています。1851年9月20日、土曜日の夕刻に出した手紙の中に。
ここから一般に、『ボヴァリー夫人』は、1851年9月19日の夜から、書きはじめられたのだろうと、推測されています。
それはともかく、フロベエルが、小説を書くのに、「簡明」を旨としていたことが窺えるに違いありません。
1869年に、フロベエルが、発表した小説に『感情教育』があります。この『感情教育』の中に、次のような一節が出てきます。

「そして、幅のひろい白ズボンが青色模様の縁取りしたロシア皮の、変わった赤長靴の上に垂れている。」

これは、「ジャック・アルヌー」という人物の着こなしについて。
「赤長靴」。ブーツなんでしょう。フランスなら、「ボット」botte でしょうか。
赤いブーツ。いいですねえ。ブルウの縁取りの赤いブーツ。
どなたか作って頂けませんでしょうか。

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