モンタンで、シャンソンでといえば、イヴ・モンタンでしょうね。イヴ・モンタンは、芸名。本名は、イヴォ・リーヴィ。イタリアで生まれてフランスで活躍した歌手。歌手であると同時に俳優としても、演技派だった人物。たとえば1983年の映画『ギャルソン』は、ご覧になった方も多いでしょう。
シャンソンのほうでは、『枯葉』があります。『枯葉』を名曲『枯葉』にしたのも、イヴ・モンタン。まずは絶唱と言って良いでしょう。
イヴ・モンタンを「イヴ・モンタン」にしたのは、エディット・ピアフ。そう言っても過言ではないでしょう。
モンタンとピアフが出会うのは、1944年のこと。ピアフはモンタンの歌を聴いて、思った。「磨けば、光る」と。それまでのモンタンはやや喜劇調のカウボーイ・ソングを歌っていたらしい。
ピアフはモンタンに、言った。
「その奥を、唄うのよ!」。
「奥?」。「唄の奥?」。
最初、モンタンはピアフがいったい何を言ってるのか、解らなかった。でも、そのうちにピアフの言う「唄の奥」が解りはじめて。
1951年に、シモーヌ・シニョレと結婚。仲睦まじい夫婦となりました。
1960年にモンタンは『恋をしましょう』に出演。共演は、マリリン・モンロオ。題名が『恋をしましょう』ですから、モンロオとモンタンが恋におちて。でも、シモーヌ・シニョレは、素知らぬふりをし続けたという。
イヴ・モンタン、ある時、フランスの雑誌からインタヴューを受けて。「お好きな銘柄の香水は?」と問われて。
「シャリマー」。その後に続けて。
「うちの妻がつかっている香水なので」。
「シャリマー」はゲランが1920年代に発表した名香。
ゲランの香りの中で、モンタンを聴きたいものですね。
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