チャンピオンとチョッキ

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チャンピオンは、最強選手のことです。いろんな競技において、第一位となった人を、チャンピオン。最優秀選手であります。
たとえばボクシングの、ジャック・デンプシー。1920代、アメリカの伝説的ボクサー。それもヘヴィ級のボクサーであった人物。当時、「アメリカ大統領の名前を知らない人はいても、ジャック・デンプシーを知らない人はいない」とまで言われたチャンピオン。
身長、185㎝。リーチ、196㎝だったと伝えられています。本名を、ウイリアム・ハリソン・デンプシー。ジャック・デンプシーは、リング・ネーム。またの名前を、「聖拳」。
ある日、ある時、ジャック・デンプシーにインタヴューすることになったのが、若き日のポール・ギャリコ。ポール・ギャリコはその頃、駆け出しのスポーツ・ライターだったから。
ポール・ギャリコはジャック・デンプシーに、ひとつの提案を。「リング上で対戦させてもらえないか?」と。ジャック・デンプシーのほうに異論のあるはずもない。よろしい、対戦。ジャック・デンプシー対ポール・ギャリコ。最初のパンチで、ノックアウト。リング上に長々と伸びてしまって。
でも、ポール・ギャリコはそのノックアウトの経験をもとに、ジャック・デンプシーのインタヴュー記事を纏めて。この記事が拍手喝采となって。後に、ポール・ギャリコは作家として成功したのであります。
ポール・ギャリコの小説に、『主に自伝的な』があります。 これは主人公が、英国のイートン校、フェンシング・クラブに招待される話。ポール・ギャリコは実際に、フェンシングの心得はあったようですね。この短篇の中に。

「彼はホワイト・タイに燕尾服をまとい、そのうえに、わたしがもっとも高級な貴族的な会だと推測した文学会のメンバーだということを示す、まったく驚くほどすばらしい色物のチョッキを身につけていた。」

「彼」がイートン校の生徒であるのは、言うまでもありません。
「驚くほどすばらしい色物のチョッキ」。どんなのでしょうか。着てみたい。もしかしたら、おしゃれのチャンピオンになれるかも………………。

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