アクタイオンとアスコット・タイ

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アクタイオンは、ギリシア神話に登場する狩人の名前ですよね。アクタイオンは、狩りの後で洞窟に入って行く。
その洞窟の泉で、女神アルテミスが水浴していて。その裸身を見るともなく見てしまった。それがために鹿の姿に変えられたという神話なんですね。
これに少し似た話が、中世の英國にもあります。 当時、コヴェントリーを治めていたのは、マーシア伯爵。1000年頃の話。ただ、税金があまりに高くて、民衆たちは苦しんでいた。
そこで、マーシア伯爵の妻、ゴダイヴァ夫人が、「もっと税金を下げるよう」に、進言。夫の、マーシア伯爵は言った。
「もしもお前が裸で馬に乗り、町中を走ったなら、税金を下げよう。」
約束の日、ゴダイヴァ夫人は裸で馬を走らせた。町の人は皆、窓を閉じ、ゴダイヴァ夫人の姿が見えないように。ところがひとりだけ覗き見したのが、トム。そのために、トムは目が見えなくなったとか。今に、「ピーピング・トム」の言葉があるのは、この逸話に基づいているそうです。
アクタイオンが出てくるミステリに、『蜜の味』があります。

「彼は自分の飼っている蜂に刺されて死んだのです。アクタイオンのようにね」

『蜜の味』は、1941年に、ヘンリー・ハードが発表した、「ホームズ物」のパロディ。「ホームズ物」のひとつに、『アスコット・タイ事件』があります。ロバート・フィッシュが、1960年に発表したミステリ。
アスコット・タイはもともと、アスコットでの競馬観戦にふさわしいと考えられていたネクタイ。それが今では新郎に最適のタイとなっているわけですね。

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