チッペンデールとチャッカー・ブーツ

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チッペンデール様式というのがあるんだそうですね。家具に。古典的で、壮麗で、絢爛たる様式の家具。
英國の家具職人、トオマス・チッペンデールが手がけた様式であるところから、その名前があります。
トオマス・チッペンデールは、1718年頃に、ヨークシャー州のオトレイの町に生まれているんだそうです。トオマスのお父さんもまた、家具職人であったという。
1727年頃、オトレイを出て、倫敦に向かったと考えられています。その倫敦で、キャサリン・レンショウと結婚するのは、1748年のこと。その後独立して、コンデュイット・レーンに自分の店を構えて。
トオマス・チッペンデールが目指したのは、フランス、ルイ王朝期の家具の、現代版。それというのも当時の英國の上流階級では、フランス、ルイ王朝期に関心があったから。チッペンデールの作る家具に人気が集まったのも、当然のことであったでしょう。
1753年に、チッペンデールは、セント・マーティン・レーン60番地に、移転。その時代のセント・マーティン・レーンは、一流家具店が多く集まる場所だったので。そこでさらに、トオマス・チッペンデールの名が高まってゆくのです。
チッペンデールが出てくる小説に、『スコットランドの早春』があります。スコットランド在住の、ロザムンド・ピルチャーが、1972年に発表した物語。この中に。

「ジョディーはジーンズをはき、ネービーブルーのポロネックのスウェーター、はき古したチャッカ・ブーツをはいていた。」

「ジョディー」は、物語の主人公、キャロラインの弟という設定。
チャッカー・ブーツという時の「チャッカ」 ch ukk は、ポロ競技での言葉から来ています。
ポロ競技での、一回ごとの試合のことを、「チャッカ」。ボクシングでの「ラウンド」、野球での「イニング」と似ているかも知れません。そのポロの、チャッカに履くのにふさわしいブーツというので、チャッカー・ブーツと呼ばれるようになったものです。

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