ソフトクリームは、美味しいものですよね。うちの近所に、ソフトクリーム専門店があります。一年中、ソフトクリームしか売っていないのですから、ソフトクリーム専門店といって間違いではないでしょう。
真冬でも店を開けているのですから、立派でしょう。どうして真冬でも店を開けているのか。
ここのご主人は、牧場主。牛をたくさん飼っていて、ミルクが出るので、ソフトクリーム専門店を考えたんだとか。だいたいマイナス4度くらいに保つと、ソフトクリームの状態になるんだとか。
最初、ご主人が苦労したのが、コーン。ソフトクリームを盛るための、コーン。コーンにもいろんな種類があって。ご主人はその中でも、ソフトクリームを食べて終るまで、パリッとしていてくれるコーンを見つけたんだそうです。なるほど。それぞれの道に、それぞれの凝り方があるんでしょうね。
ソフトは、帽子にもあります。ほんとうは、ソフトフェルト・ハット。それを略して、ソフト・ハット。さらに略して、ソフト。ホンブルグのように堅く仕上げる帽子もあれば、柔らかく仕上げる帽子もあるというわけです。
ソフト帽が出てくる小説に、『帰郷』があります。大佛次郎の名作。
「顔の影をつけているボルサリーノらしいソフト帽も………………」。
ただ、眺めただけで、上等のソフト帽であるが分かったのでしょう。また、『帰郷』にはこんな描写も出てきます。
「急停車した勢いに舞立った埃を、ヘルメット帽に手を掛け顔をそむけて避けた平服の紳士は………………」。
ここでの、「ヘルメット帽」とは何でしょうか。私の勝手な想像ですが。ソーラー・トーピーではなかったかと。
ソーラー・トーピーは、アフリカ探検隊がかぶるような帽子もこと。防暑帽とも呼ばれたものです。内側の断熱材に、植物の髄を使った帽子のこと。盛夏には最適の帽子。ただし、ソフトではなく、「ハード・ハット」のひとつですが。