フウチョウとフェザー

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フウチョウは、極楽鳥のことですよね。
極楽鳥は、大きな、美しい鳥であります。もともとは、ニューギニアなどの南国に棲んでいたんだそうですが。
ことに雄が雌に較べてきらびやかなんだとか。
十六世紀中頃から。南国からヨオロッパへと輸出されたという。この時、剥製にして、脚は切って。
この剥製の極楽鳥を見たヨオロッパ人は、もともと脚のない珍しい鳥だと考えて。
一生を、空を飛び続ける天国の鳥だと解釈。そこから「極楽鳥」の名前が生まれたんだとか。

「………エメラルドの如き海水の淀む處、極楽鳥の舞ふ處………………」。

明治四十三年に、竹越与三郎が書いた『南国記』にすでに「極楽鳥」が出てきます。
明治期にも、「極楽鳥」は知られていたのでしょう。

「………壁かけのインド更紗の模様は極楽鳥………………」。

川端康成が、昭和七年に発表した『抒情歌』にも、「極楽鳥」は登場しま

1912年には、多くの極楽鳥がニュウギニアから、巴里へと輸出されたとのこと。一説にその数、12万羽であったとか。もちろんその羽根を装飾に使うために。
1920年の英國では、極楽鳥の輸入禁止がはじまっています。南国でも極楽鳥の絶滅危惧がはじまっていたからです。

「それが一八六二年に一二0軒となり、一八七0年には一気に二八0軒に跳ねあがった。」

カーク・ウォレス・ジョンソン著『大英自然史博物館珍重標本盗難事件』には、そのように書いてあります。
いったい何のことなのか。
十九世紀、巴里における「羽毛細工商」の数について。
1798年には、25軒だったにもかかわらず。つまり、十九世紀にはフェザーがモオドの不可欠な条件だったのでしょう。
フェザー。男の帽子にも挿してみたいものです。
どなたかフェザーの似合う帽子を作って頂けませんでしょうか。

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