エメラルドとエマイユ

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エメラルドは、宝石のひとつですよね。
美しく、深い緑色の宝石であります。
古代にはエメラルドは、「目に良い石」と考えられていたんだそうですね。それでと、言って良いのでしょうか。エメラルドの頸飾りが流行った。エメラルドの頸飾りをしているとl目が良くなるというので。
エメラルドはまた、国の愛称でもあります。「エメラルド・アイル」は、アイルランドの美称。
1795年に、ドクター・ドレナンが詠んだ詩『エリン』に、アイルランドのことを、「エメラルド・アイル」と形容したのがはじまりなんだそうですが。

瀬戸内寂聴が1972年に書いた随筆に、『エメラルドと川端夫妻』があります。
瀬戸内寂聴は、1922年5月15日のお生まれで。それでかねてから、エメラルドの指環が欲しいと思っていたと、随筆には書いています。エメラルドは五月の誕生石なんだとか。
川端康成の奥様は、秀子で。川端秀子は、瀬戸内寂聴から「エメラルドの指環」の話をきいていて。それなりにエメラルドの指環を探してくれて。
その「エメラルドの指環」は、瀬戸内寂聴が思い描いていたものより、立派で。結局、瀬戸内寂聴は自分には過ぎた美事な「エメラルドの指環」を買うことに。
その後日談として。川端康成はその話を聞いて、やんわり秀子をたしなめたという。
「瀬戸内さんには瀬戸内の都合もあるだろうから……………。」
そのことを伝え聞いた瀬戸内寂聴は、ますます「川端夫妻」のファンになったと、『エメラルドと川端夫妻』に、書いています。

エメラルドが出てくるミステリに、『エメラルド色の空』があります。英国、ロンドン生まれの作家、エリック・アンブラーが、1956年に発表した物語。

「……………野原が水色で、空がエメラルド・グリーンであると考えるような女は、いささか変っているように思いますが………………」。

これは「チサール博士」の発言として。『エメラルド色の空』を読むと。エメラルド・グリーンの絵具が事件のヒントになっているのですが。

エメラルドが出てくる小説に、『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』があります。1922年に、トオマス・マンが書いた長篇。この中に。

「血のように赤いルビー。緑色でガラス質のエメラルド。青く透明のサファイア………………」。

トオマス・マンの『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「それに相応しい蝶ネクタイと、シャツを留めるための七宝焼きのボタンも既に調達してあった。」

これは物語の主人公、クルルが燕尾服を仕立てる場面。一式で、「四十五フラン」と明記してあるのですが。
ここでの「七宝焼き」は、エマイユのことでしょう。七宝。エナメル。
フランスなら、「エマイユ」 ém a il でしょうか。
どなたかエマイユのスタッドを作って頂けませんでしょうか。

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