ロンドンとローブ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ロンドンはイギリスの都ですよね。

「ロンドンに飽きた者は、人生に飽きた者だ。」

サミュエル・ジョンソンは、そんなふうに言ったんだそうですね。
サミュエル
ジョンソンは、1709年にリッチフィールドに生まれています。実家は本屋だったという。それで自分で辞書を創ろうと思ったのでしょうか。
1746年に、『英語辞書』の第一巻を完成させています。ジョンソンを敬愛したのが、
ジェイムズ・ボズウエル。
ジョンソンはロンドンを愛するあまりなのか、スコットランド嫌いで。しかし弟子の
ボズウエルがスコットランド人だったのは、面白い。
ジョンソンの『英語辞書』で、「オート」o at を引いてみますと。

「イギリスでは馬に食わせ、スコットランドでは人が食うところの麦」

そんなふうに出ています。これを読んだボズウエルの言葉。

「そのためにイギリスでは良い馬が育ち、スコットランドでは良い人間が育つ。」

十九世紀までのロンドンでは、街の物売りが少なくなかったらしい。たとえば。
朝早く、「スウイープ! スウイープ!」。これは煙突掃除の少年の声。煙突掃除は必ず少年の役目だったのです。身体が小さいから、煙突に潜りこむことができたのです。
朝といえば、ミルク。十九世紀以前のロンドンにはミルクも街に売りに来て。

「ミルク・ビロウ! ミルク・ビロウ!」

アイルランド衣裳の娘が、叫ぶ。これがミルク売りの印。つまり、「ミルクがすぐ下に来てますよ」と言っているわけですね。
昼には「靴紐売り」も。靴紐だからほんとうは、「ブート・レイス」。でも、下町の少年なので、コックニイ訛りで。

「ブート・ライス! ブート・ライス!」。

聞く人によっては、「靴のしらみ要りませんか?」に聞こえたという。

ロンドンからチヴェットに旅するミステリが、『チヴェットの薔薇』イギリス人作家の、
ライオネル・デヴィッドスンが、1962年に発表した物語。主人公の、チャールズ・ヒューストンは、ロンドンに住んでいるという設定になっています。チャールズの弟がチヴェットで亡くなったとの報せで、チヴェットに向かうところから、幕が開きます。この、『チヴェットの薔薇』の中に。

「二人が着ているたっぷり刺繍がほどこされた絹のローブは、コサック兵の軍服のように胸元がボタン留めになっていた。スタンド・カラーの襟元には宝石を散りばめたシルクのスカーフがゆるく結ばれ……………………。」

これはチャールズがチヴェットであった、二人の長老の着こなし。
ローブ r ob e にはいろんな意味があるのでしょうが。ここでは丈長の、装飾的な上着なのでしょう。
どなたか上着としての華麗なるローブを仕立てて頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone