アーサーとアンダー・ウエア

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アーサーは、男の人の名前ですよね。
たとえば、アーサー・フィードラーだとか。アーサー・フィードラーは、アメリカ、ボストンの指揮者だったお方であります。クラッシック音楽をより身近に聴かせてくれた音楽家とも言えるでしょう。
アーサー・フィードラーは一例で、世に「アーサー」の名前は少なくありません。これらの「アーサー」の源は、「アーサー王」にあるのではでしょうか。「アーサー王」は、あくまでも伝説であり、物語であります。
アーサー王が実在したとの確証は今のところ見つかってはいません。
でも、それにもかかわらず、「アーサー王」は連綿として語り継がれているのも事実であります。
これもひとつの伝説ですが、「石の中の剣」はよく知られているところでしょう。ある時、大きな石に、美事な剣が挿さっていて。誰もその剣を抜くことが出来ない。とうとう、「この石からこの剣を抜いた者こそイングランド王である」と言われるまでに。
そこにあらわれたのが、アーサーで、楽々と抜きとった。その時、アーサーは十五歳であったのだ、と。
アーサー王といえば必ず出てくるのが、「マーリン」。マーリンは預言者であります。ある日、マーリンはアーサー王を遠くの湖へと案内する。アーサー王が湖に着くと、湖の精が剣を与えてくれる。それが不思議な「エクスキャリバー」だったのです。「エクスキャリバー」は不滅の剣で、すべての災いからも身を守ってくれる剣でありました。
ざっとこんなふうに、アーサー王の物語をはじめれば際限がなくなってしまうほどです。

アーサーが出てくる小説に、『いかさま師ノリス』があります。1935年に、英國生まれの作家、クリストファー・イシャウッドが発表した創作。ただし、時代背景は、1930年に置かれているのですが。
「ノリス」は物語の主人公で、アーサー・ノリスがフルネイムなのですね。

「見るからに高そうなソフトスーツである。

『いかさま師ノリス』には、そんな一節が出てきます。
これは語り手の「ウイリアム」が、はじめて列車の中で、アーサー・ノリスと出会う場面。
ということは、1930年頃にはすでに「ソフト・スーツ」の言い方があったのでしょうか。さあ。これはちょっと宿題でしょうか。
また、『いかさま師ノリス』を読んでいると、こんな描写も出てきます。

「シャツをご覧になって。あと、ネクタイも。夢みたいに完璧。それから、シルクの下着。前に言ったことがあるんです。ノリスさん、わたしが身につけるべきですわ。」

これは、アーサー・ノリスが風呂に入る場面。風呂の支度をした、「シュレーダー嬢」の科白として。
ノリスが着ているアンダー・ウエアは、絹なんですね。ここでの「下着」は、肌着なのか、トランクスなのか。あるいはまた、上下つなぎのコンビネイションだったのでしょうか。
どなたか現代版のシルクのアンダー・ウエアを作って頂けませんでしょうか。

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