カフェとカラア

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カフェは、珈琲のことですよね。c afé と書いて、「カフェ」と訓むわけです。
そして「カフェ」はまたコーヒーが飲める場所のことでもあります。「珈琲提供所」とでも言えるのでしょうか。
パリのカフェに、「ル・プロコップ」があります。1686年の創業と申しますから、古い。今も、カフェ・プロコップはあります。が、むしろレストランというべきでしょう。
1686年頃のカフェ・プロコップの店内には、たくさんの鏡があって。その場所はもと風呂屋だった所で、その鏡をそのままに改装したからなんだとか。
今もカフェに鏡は少なくありませんが、カフェ・プロコップの伝統にも関係しているのでしょう。
この「カフェ・プロコップ」の常連だったお方に、アメリカ人のフランクリンがいます。1776年頃のこと。
ここでのフランクリンは、ベンジャミン・フランクリンのことです。ベンジャミン・フランクリンが十八世紀、アメリカの偉人だったことは言うまでもありません。フランクリンは物理学者であり、文人であり、また優れた政治家でもありました。
1776年に、ベンジャミン・フランクリンは、フランスのパリへ。これはアメリカとフランスとの間に、友好条約を結ぶのが目的でありました。当時のアメリカは、イギリスからの独立を狙っていた時代でもありましたから。この時のフランクリンは数年パリに滞在しています。そしてパリの特権階級とも友情を結ぶことに成功しているのです。
フランクリンはパリで暮している時、足繁くプロコップに通っています。おそらくクロワッサンも食べ、カフェ・オ・レも飲んだことでしょう。どうしてそんな勝手なことが言えるのか。
1790年4月17日。ベンジャミン・フランクリンは、八十四歳の生涯を閉じています。この時、パリのカフェ・プロコップでは、半旗を掲げたという。

カフェが出てくるミステリに、『バーネット探偵社』があります。1928年に、フランスの作家、モオリス・ルブランが発表した物語。これまた、「アルセエヌ・ルパン物」のひとつ。ただし、ルパンが「バーネット探偵」に扮する内容になっているのですが。

「………事務机の上に三日月パン一本とコーヒー一杯をのせて行くことになったいる。」

日本語訳は、堀口大學。これは「ニコラ・ガシール」の朝食として。毎朝、アパルトマンのコンシェルジュが運んできてくれるのです。たぶん、クロワッサンとカフェ・オ・レなじょでしょう。
また、モオリス・ルブラン著『バーネット探偵社』には、こんな描写も出てきます。

「………ネクタイの結び目を気にしたり、カラーを蠟引きさせたりした。」

これは私立探偵のバーネットから眺めての、ベシュー警部の姿。バーネットはベシューのことを、警部には珍しい洒落者だと思っているので。
「カラーを蠟引き」。1920年代のパリではまだ、ワックスト・カラアがあったのでしょう。カラアをアイロンで仕上げる時、薄くワックスを引いて光らせるやり方のこと。もし、昔の映画などを観ていて、カラアに光沢があるなあと思ったなら「蠟引き」の可能性があります。
どなたか蠟引きが様になるようなクラッシックなシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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