ハメットとハンカチ

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ハメットは、ダシール・ハメットのことですよね。ダシール・ハメットは、アメリカの作家。ふつう、ハードボイルド生みにの親と言われています。
ダシール・ハメットから、親しい友人は、彼のことを、「ダッシュ」とも呼んだそうです。
ダシール・ハメットについて語ることは、あまりに多い。でも、ひとつ忘れてならないのは、彼が際立った洒落者だったことでしょう。
当時一流店だった「アバークロンビー&フィッツ」をはじめとする有名店での大切な客だったのです。
1943年。ハメットは戦争のために、外地に。外地からリリアンに、手紙を書いています。。
リリアン・ヘルマンは脚本家であり、ダッシュのパートナーだったお方。

「コットンとウールとの混紡のソックスを十足。」

同じ手紙の中で。

「アバークロンビー&フィッツ製の防空頭巾。」

ダシール・ハメットを尊敬した作家に、チャンドラーがいます。もちろん、レイモンド・チャンドラー。
チャンドラーはハメットを読んで、作家になることを目指したのでありました。もし、ハメットがいなければ、チャンドラーは生まれていなかったでしょう。

レイモンド・チャンドラーの長篇第一作が、『大いなる眠り』。1939 年のことです。
チャンドラーの『大いなる眠り』は、こんなふうに、かきはじめられます。

「私は淡いブルーのスーツに、ダークブルーのシャツ、ネクタイをしめ、ポケットにはハンカチをのぞかせ………」

これは、村上春樹の日本語訳。
もう少し続けますと。

「………穴飾りのついた黒い短靴に、ダークブルーの刺繍入りの黒いウールの靴下をはいていた。」

もちろん、私立探偵、フィリップ・マーロウの着こなしとして。

アメリカではふつう、「ポケット・スクエア」と言います。イギリスでは、「ポケット・ハンカチーフ」。
チャンドラーは、イギリスで教育を受けたアメリカ人。
ここでの「ハンカチ」は、どのように記されているのか。
原文を開いてみますと。

「ディスプレイ・ハンカチーフ」。

いうまでもなく、「飾りハンカチ」の意味を込めてのことでしょう。
どなたか大判の白麻のハンカチを作って頂けませんでしょうか。

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