イギリス人は、英国人のことですよね。イングランドに生まれて、イングランドに育ったお方でしょうか。
代表的なイギリス人といえば、ウインストン・チャーチルでしょうか。古典がお好きで、頑固なところも少しあって。
ウインストン・チャーチルが二十歳の頃から晩年に至るまで、水玉模様のボウ・タイをお好みだったのは、有名な話でしょう。
イギリス人特有の性格。まあ、これをひと口で表現するのは、簡単ではありません。一つのヒントとして、『無名なるイギリス人の日記』があります。
1892年に、ジョージ・グロウスミスと、ウィードン・スミスとの共著。ジョージとウイードンは、兄弟という関係。「日記」と題にあるのですが、実際にはユウモア小説に、仕上がっています。
「ところで、服地を選ぶ際には、二度と夜にはしまい。エドワード店にて遊園会用に上下揃いのスーツを注文したのだが、ガス燈の下で服地を選び、穏やかな霜降りに白い縦縞が走っていると見た。」
どころが、実際に出来上がって見ると、とてもけばけばしい柄だったと、反省している場面。
生地を選ぶのはやはり自然光がいちばんでしょうね。
イギリス人が出てくるミステリに、『アルセーヌ・ルパンの第二の顔』があります。1975年に、ボワロー・ナスジャックが発表した長篇。
「その男はゆったりとしたタキシードを着て、ボタン穴に花を一輪さしていた。(イギリス人だ!) とドアマンは喜んだ。」
イギリス人なら、巴里でしっかりチップをはずんでくれるから。
『アルセーヌ・ルパン第二の顔』には、こんな描写も出てきます。
「革の上に、S・Gと二つの頭文字が刻んであり、内側の菱形模様の中に金文字でこう書いてあった。『パリ、ジュフロワ・アーケード、レオン帽子店』」
ここでの「革」は、スエット・バンドのこと。いわゆる「ビンガワ」。スエット・バンドに、持ち主のイニシャルを入れてあるわけですね。
昔はよく人の帽子と間違えることがあったので。
どなたかスエット・バンドに、イニシャルがふさわしいソフト帽を作って頂けませんでしょうか。