バスとパンプス

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バスは、乗相自動車のことですよね。「スクール・バス」というではありませんか。「観光バス」というではありませんか。
観光バスの案内をしてくれる人が、バス・ガイド。
🎶 右手に見えますのが………
そんな風に名所を案内してくれるわけですね

バスが出てくる随筆に、『永日小品』があります。明治四十二年に、夏目漱石が書いた随筆。

「四つ角でバスを待ち合わせてゐると、鼠色の空気が切り抜かれて急に眼の前へ馬の首が出た。」

これは漱石のロンドン留学中の想い出のひとこま。当時は馬に牽かせるバスがあったのでしょうか。
「鼠色の空気」。これはいうまでもなく、その時代の名物でもあった「霧」ことですね。
漱石の『永日小品』は、備忘録でもあるのでしょう。が、たいへん勉強になる備忘録にもなっています。

「着なれない所為か、メルトンに対して妙に遠慮する傾きがある。」

これは一月元旦の町の様子として。着物姿の人もあり、フロック・コートの人もあって。ここでの「メルトン」は、結局のところ、フロック・コートのことなのですね。
明治末期には、いかに多く、メルトンでフロック・コートが仕立てられたかが、よく分かるでしょう。

バスが出てくる小説に、『うつろな男』があります。1992年に、ダン・シモンズが発表した物語。

「バスがインターステート75号線に乗ってゲインズヴィルから北へ向かいはじめたころ、ブレーメンは現在の状況について考えはじめた。
「ブレーメン」は物語の主人公という設定になっています。
また、『うつろな男』には、こんな描写も出てきます。

「やわらかな革で作られた上等な黒のパンプスは、フラシ天のカーペットよりも厳しい環境には決してそぐわない。」

これはブレーメンからながめての、見知らぬ男の靴について。
「パンプス」 pumps は、もともとは宮廷での室内履き。英語としては、1555年頃から用いられている言葉なんだとか。
パンプスはもちろん女性用にもあります。また、男性用にもあります。軽くて、上品な靴のことですから。
どなたか男性用の優雅なパンプスを作って頂けませんでしょうか。

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