パイプとパピヨン

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パイプは、喫煙具のひとつですよね。パイプに専用の煙草を詰めて、火をつけるわけであります。
でも、パイプは名随筆の題名でもあります。團伊玖磨著の『パイプのけむり』。昭和を代表する名随筆のひとつでしょう。
團伊玖磨の『パイプのけむり』は、もともと長く『アサヒグラフ』に連載された人気の讀物だったのです。今は朝日新聞社から単行本としても出版されています。

「大田黒先生の薫育を受けてネクタイの本義が判りかけた頃、先生のアドヴァイスもあって僕は暫くの間イギリスで勉強することになった。」

團伊玖磨は『ネクタイ』という章題で、そのように書いています。
ここでの「大田黒先生」が、当時服飾についての第一の権威であった、大田黒元雄であるのは、申すまでもないでしょう。
大田黒元雄は、音楽評論家でもあって、戦後まもなくの團伊玖磨は、先生の弟子となったんだそうです。
毎日のように大田黒先生のもとに通う。と、必ず團伊玖磨が結んでいるネクタイについての論評がある。この先生のネクタイ論によって、團伊玖磨はネクタイの「本義」が少し解るようになったのでしょう。
もし、そうだとすれば團伊玖磨は、願ってもないネクタイの先生についたことになります。また、先生の教えの後でロンドンに行ったのも、理想的な順序だったと言って良いでしょう。

ネクタイが出てくる小説に、『ペテン師』があります。1945年に、フランスの作家、クロオドシモンが発表した創作。

「白い水玉模様のガーネット色蝶ネクタイをしている。見るからに新しく、背広とは対称的だ。」

これは「ランゴ」という人物の着こなしについて。
「ガーネット色」ということは、赤に白のドットなのでしょう。フランスなら、「パピヨン」でしょうか。
どなたか赤地にホワイトのパピヨンを作って頂けませんでしょうか。”

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