ブルターニュは、地名のひとつですよね。フランス北東部の地方名であります。ブルターニュもまた、美味しいものの生産地という印象がある地域。
また、ブルターニュはおしゃれ語とも、無関係ではありません。たとえば、「ブレトン・ベレエ」。ブレトン・ベレエは、「ブルターニュふうのベレエ」の意味なのです。やや大ぶりの鉢のベレエのこと。これに対して少し小ぶりのベレエが、「バスク・ベレエ」なのです。
1847年に、ブルターニュを旅した作家に、フロベエルがいます。ざっと三ヶ月ほどかけてブルターニュを旅しています。
この時の旅の様子は、『ブルターニュ紀行』に詳しく述べられているのですが。
フロベエルの『ブルターニュ紀行』は、実は共著。フロベエルの友人であり、作家でもあった、マクシム・デュ・カンとの。
それというのも、1847年のブルターニュ行きは、マクシム・デュ・カンとの二人旅だったから。この二人は仲良く、半分づつ担当しているのです。
ブルターニュ紀行。この三ヶ月の間、彼らの服装はどんなふうだったのか。
「平織りの上着一着………」
フロベエルは『ブルターニュ紀行』の中にそのように、書いています。
「馬丁の着るようなシャレたやつ」
そんな註釈をもつけています。
また、手にはステッキ。これはノルマンディーのリジューから特別の材質だったようです。
「頑丈な靴」
これは白の革製で、底にワニの歯のような鋲を打ってあった。そうも書いています。
ブルターニュが出てくる小説に、『アマリアの別荘』があります。フランスの作家、パスカル・キニャールが発表した物語。
「どうせならブルターニュのバターがいいわね」
これは「アン」の科白として。もちろん、トーストに添えるためのバターなのですが。ブルターニュはバターの美味しいことでも知られています。
また、『アマリアの別荘』には、こんな文章も出てきます。
「黒いジーンズに、黒のフリースのぶ厚い上着を着ていた。」
これは「ジョルジュ」という男の着こなしについて。
おそらく、ブラック・ジーンズなのでしょう。
どなたかシルクのブラック・ジーンズを作って頂けませんでしょうか。