鞄とカフ・リンクス

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鞄は、バッグのことですよね。バッグbag は1200年頃からの英語なんだとか。古代ノルマン語の「バッギ」baggi
と関係があるという。「バッギ」はポケットの意味であったそうですが。
「鞄」は、宛字。一説に中国語の「キャバン」を日本語に移したものなんだそうです。キャバンは、「櫃」の意味だったとか。
蘊蓄はさておき、鞄は便利なものですね。私などもがらくたを持ち歩くのに、デイパックを使っております。昔の鞄は手提げ式が多かった。でも、今は肩に背負う式が多い。これまた、時代というものでしょうか。

鞄が出てくる小説に、『黑い眼と茶色の目』があります。大正三年に、徳冨蘆花が発表した物語。

「………米國在學中鞄屋の道具を借りて自身作つたと云ふ真鍮の口金のついた集配人の郵便袋の様な………」

これは「飯島校長」の持っている鞄。自分で作った鞄を学校に持ってくる校長先生。そんな学校にはぜひ通いたいものですね。

昭和二十六年に、井上 靖が発表した短篇に、『黄色い鞄』があります。

「………清川マリは、右手を外套のポケットにつっ込み、左手で無雑作にボストンバッグを提げてホームへ降り立つと………」

これは偶然にも同じ黄色い鞄を持っていた他人と、知り合う筋書になっているのですが。たしかに同じ鞄から生まれる小説もあるのでしょう。
鞄が出てくるミステリに、『救いの死』があります。1931年に、ミルワード・ケネディが発表した物語。

「………カバンの中の札束に気付いた者がいたとしても不思議はない。」

この鞄の中には大金が入っていたという設定になっています。また、『救いの死』には、こんな描写も出てきます。

「………彼女はカフスボタンも目に留めていた ー 卵型の金色のカフスボタンには斜め黒い縞が走っていた。」

もしかすれば、縞瑪瑙だったのでしょうか。それはともかく男の袖口のカフ・リンクスは思った以上に目立つもののようですね。
どなたか小型のシンプルなカフ・リンクスを作って頂けませんでしょうか。

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