フレンチとフランネルズ

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フレンチは、フランスふうのことですよね。シャツにも「フレンチ」はあります。
たとえば「フレンチ・フロント」だとか。これはシャツの前立の作り方のことです。パネル・フロントではない方式。ほとんど一枚仕立ての前立を、「フレンチ・フロント」と呼びます。
あるいはまた、「フレンチ・カフ」。もちろん二重に折返した袖口のことです。十九世紀はじめの袖口は一重でありました。堅く堅く糊付けしているために、一重で保ったのです。
ところが糊が薄くなって保たなくなったので、二重に折返すようになったもの。それをアメリカ英語で、「フレンチ・カフ」と言ったのです。イギリス英語では「ダブル・カフ」と呼びます。

サラダを食べる時、「フレンチ・ドレッシング」を使うことがあります。ヴィネガーとオリイヴ・オイルとで作るんですが、魔法のように野菜を美味しくしてくれるものです。

「そして、亜弥子さんお手製のフレンチ・ドレッシング・サラダも混じえて、単純ではあるが豊富なご馳走と、食後の果物を食べ終った頃には………」

1964年に、柴田 翔が発表した『されど われらが日々 ー 」に、そんな文章が出てきます。

フレンチ・ドレッシングが出てくる小説に、『青いパステル画の男』があります。

「この世界においてフレンチドレッシングのかかったアボカドを食べることほど重要なことはないというのは自明のことのようだ。」

これは「ショーモン」という男の考えとして。
2007年に、フランスの作家、アントワーヌ・ローランが発表した物語。
『青いパステル画の男』には、こんな描写も出てきます。

「私はあの幻のパスカルを汗ばんだ手で握りしめ、グレーのフランネルのズボンの後ろポケットに滑り込ませた。」

これも「ショーモン」の動作。たぶんグレイ・フランネルズを穿いていたのでしょう。ここでの「パスカル」は、昔の500フラン札に印刷されていたパスカルの肖像画のことです。
どなたか純白の完全なフランネルズを仕立てて頂けませんでしょうか。

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