起床とキャラコ

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起床は、起きることですよね。たいてい夜は寝て、朝には起きることになっています。
寝床から起つから、「起床」なのでしょう。起床時間もまた、人によって様ざまなのでしょうね。
昭和八年十二月十五日。永井荷風は、昼頃に起床しています。あまりにも有名な『断腸亭日乗』に出ていますから、ほんとうのことなのでしょう。
この日の荷風は、夕方になって銀座に出ています。銀座の「不二あいす」で、夕食。夕食の後、喫茶店「きゅうぺる」へ。友人に会って、歓談しています。
荷風の『断腸亭日乗』を読んでいますと。毎日のように、「きゅうぺる」に足を運んでいるのです。よほどお気に入りの喫茶店だったのでしょう。

「起床」からはじまる日記に、『サミュエル・ピープスの日記』があります。

「起床。たいそうよく晴れた朝だったので水路ホワイトホール宮へ………」

1664年2月24日のところに、そのように書いています。ピープスはたいてい馬車で出勤したようです。が、場合によっては、テムズ川から舟で行くこともあったのでしょう。
同じ日の午後、ピープスはやはり舟で、「コーヒーハウス」に行ってもいます。羨ましいですね。
では、1664年10月12日、ピープスは何をしていたのか。

「食後わたしはリンネル反物商のブリッジズの店へゆき、キャラコ一00枚の精算をし、彼に二0八ポンド一八シリング00ペンス渡した………」

『サミュエル・ピープスの日記』には、そのように出ています。これはピープスの本業の部分。ピープスは当時の海軍省に勤めていましたから。
たぶん軍艦で使う布としてのキャラコだったのでしょう。
「キャラコ」は、英語の「キャリコ」calico から来ています。
光沢のある平織綿布。その昔のインドの地名、カリカットから出た名前です。
どなたかキャラコのシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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