フランスとブレイザー

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フランスは、フレンチのことですよね。色にも「フレンチ・ブルー」があるではありませんか。フレンチ・ブルーは、「群青色」のことなんだそうです。
フレンチ・トーストは、美味しいパン。フレンチ・ヒールは、美しいカーヴのある踵のこと。
フレンチ・チョークはいわゆる「チャコ」のことですね。布地に線を引くための鉛筆代わり。
フレンチ・カフは、ダブル・カフのこと。アメリカ英語でフレンチ・カフ。イギリス英語で「ダブル・カフ」。
「フレンチ・フライ」もよく食べるものです。拍子に切ってあって、いくらでも食べられてしまいます。

フランスもまた、奥の深い国で、郊外にたくさん美しい場所があります。大正五年に、フランスのカーニュに旅した画家に、「小出楢重」がいます。
小出楢重の紀行文『カニューにて』は、その時の印象を記録したものです。

「外国に来ては、繪は一枚もかかずにと思っていたが、さて景色を見ると、とてもとてもがまんがならない程面白い景色があるので、とうとうカンヴァスを張り出したよ。」

小出楢重は、そんなふうに書いています。

フランスのルーアンに生まれた作家に、モオリス・ルブランがいます。1864年のことです。モオリス・ルブランは、エトルタ辺りの美しい風景を何度も物語の中に描いています。
モオリス・ルブランが1930年に発表した物語に、『ジェリコ公爵』があります。この中に。

「金のボタンが二列に並んだ紺の上着の下に、はっきりと盛りあがっている上体は………」

これは「エレン・ロック男爵」の着こなしとして。また、こんな描写もあります。

「………ヨットマン用の庇つきの帽子をかぶっていた。」

これを合わせて考えますと、たぶんダブルのブレイザーなのでしょう。フランスでもブレイザーは、blazer とつずります。
どなたか1930年代のダブルのブレイザーを仕立てて頂けませんでしょうか。

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