ブリオッシュとブレテル

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ブリオッシュは、美味しいパンですよね。ブリオッシュとくれば、カフェ・オ・レでしょうか。
ブリオッシュは、どんな風にして食べますか。もちろん、人それぞれの好みなんでしょうが。あるお方は、言う。「ブリオッシュにバターはつけない」と。
昔むかし、ブリオッシュはノルマンディで生まれたんだとか。ノルマンディはバターの名産地でもあって。生地にたっぶりバターを練りこんで、焼いた。だからもうバターは必要ないのだ、と。まあ、これにも一理あるんでしょう。
ブリオッシュをタテ半分に切って、その表面にラム酒を少しふりかけて、生クリームを添えますと。たちまちケーキに変身してしまいます。

「パンがないならお菓子を食べなさい。」

フランス革命期の、マリイ・アントワネットの言葉という説もあります。が、「お菓子」の部分、実はブリオッシュだったとも言われています。ブリオッシュがパンなのか、ケーキなのか、微妙なところでもあるのでしょう。
ブリオッシュが出てくるミステリに、『大いなる幻影』があります。カトリーヌ・アルレーが、1966年に発表した物語。

「さしあたりは、目の前のブリオッシュとチョッキの袖とで我慢した。」

これはジルベール・ララガーシュという人物の様子。『大いなる幻影』には、こんな描写も。

「ナナールはズボン吊りをかけ直し、ワイシャツのカラーを取りかえ………………」。

ナナールは、イヴォンヌ・ララガーシュの弟という設定。ズボンをサスペンダーで吊っているのでしょうね。
サスペンダーは、イギリスでは「ブレイシーズ」、フランスでは「ブレテル」 bretelle と呼ぶんだそうです。
ズボンをちゃんと穿くには、ブレテルのほうがいいのかも知れませんね。さて、ブレテルを使ってパンタロンを穿いて、美味しいブリオッシュを食べに行きたいものですが。

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