ナンシーとナンキーン

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ナンシーは、よく女の人に使われる名前ですよね。ナンシー Nancy。だからなんでしょうか、男に対して「ナンシー」というと、「女々しいやつ」の意味になるんだとか。
昔むかし、英國にアンナ・オールドフィールドという舞台女優がいて。このアンナ・オールドフィールドは、1730年に世を去っています。が、その前に。「もし、わたくしが死んだなら、極上のブラッセル・レエスで顔を覆ってください…………」。そう言ったんだとか。
ここから「虚栄心の強い人」のことを「ナンシー」と呼ぶようになったそうです。アンナを可愛く呼ぶと、「ナンシー」になるので。
ほんとうに可愛いナンシーに、ナンシー・シナトラがいます。もちろん、アメリカの歌手ですよね。たとえば、『オンリー・リヴ・トゥワイス』をはじめ、たくさんのヒット曲があります。『ジーズ・ブーツ・ア・メイド・フォア・ウォーキン』だとか。
ナンシー・シナトラがデヴュウの時に歌った曲に、『カフ・リンクス・アンド・ア・タイ・クリップ』があるんだそうですが、聴いてみたいものです。
同じ名前の「ナンシー」が出てくる小説に、『オリバー・ツイスト』があります。英國の、チャールズ・ディケンズが、1838年に発表した傑作。ディケンズ、二十六歳の時の作。

「ナンシーは帽子にエプロン、籠、玄関の鍵と申し分のない扮装であった。」

また、『オリバー・ツイスト』には、こんな描写もあります。

「紺の上衣に縞のチョッキを着け、南京木綿のズボンにゲートルをはき…………」。

これは、グリムウィグという人物の着こなし。ナンキーン nankeen はコットン地の名前。十八世紀に、中国から輸入されたので、その名前があります。
イエローのストライプ地で、ごく丈夫な布で、主にズボン地とされたもの。今の「縞ズボン」の元祖となった生地でもあります。

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