クレオパトラとアスコット

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クレオパトラは、絶世の美女だったそうですね。
1963年には『クレオパトラ』として、映画にもなっています。主役のクレオパトラに扮するのが、エリザベス・テイラー。マーク・アントニーに、リチャード・バートン。ジュリアス・シーザーに、レックス・ハリスン。
『クレオパトラ』はその頃、二十世紀フォックスが社運賭けた、とまで言われた大作映画。制作費、4400万ドルに達したという。当然のように、多くのアカデミー賞を受けてもいます。レックス・ハリスンは、主演男優賞を。
この時、衣裳デザイン賞を受けたのが、アイリーン・シャラフ。アイリーン・シャラフは、アメリカ、ボストンの生まれ。生年不詳。ハリウッドの、成功したコスチューム・デザイナーです。
映画『クレオパトラ』の中で、エリザベス・テイラーが、金の装飾のあるガウンを着る。このゴールドは純金で、一着の制作費、6500ドルであったと伝えられています。
アイリーン・シャラフは、『王様と私』でも衣裳を担当しています。『王様と私』は1956年の映画。ユル・ブリンナーとデボラ・カーとの共演。ユル・ブリンナーはシャム( 今のタイ ) の王様という設定。それで大量のタイ・シルクが使われています。その映画衣裳のためのタイ・シルクを提供したのが、ジム・トンプソンだったのです。
『王様と私』の映画衣裳によって、タイ・シルクが再評価されることになった、と言って過言ではないでしょう。
ジム・トンプソンはアメリカ人ですが。タイに渡って、タイ・シルクを復活させた人物。ジム・トンプソンを描いたミステリが、『王は闇に眠る』が。2001年に、フランシーヌ・マシューズが発表した物語。この中に。

「過ぎ去りし日々を物語るように老人たちはアスコットタイを身につけていた。」

この文のすぐ前に、「青いブレザー……」と出ています。たぶん、スポーツ・アスコットなのでしょうね。
さて、アスコットを結んで。二十一世紀のクレオパトラを探しに行くとしましょうか。

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