ジョッキーは、騎手のことですよね。馬を速く走らせる名人のこと。ジョッキーは、若者に限る。
英語の jockey は、スコットランドの「ジョック」jock からきているとの説があります。若い騎手のほうが有利なのでしょうか。でも、騎手は軽量に限るのは、ほんとうでしょうね。乗ると馬が犬に見えてします騎手は、そう多くはありません。
ジョッキー・キャップだとか、ジョッキー・ブーツだとか、騎手のスタイルからはじまっているのも、少なくはありませんね。
騎手から作家になった人に、ディック・フランシスがいます。ディック・フランシスは1962年に、『本命』を発表。競馬と推理を結んで、大成功。それ以前には、英国皇太后の馬の騎手だったのです。
『本命』の後も、『度胸』、『興奮』、『大穴』………。そのすべてが、拍手喝采。日本語訳は、菊池 光。1967年に。菊池 光は訳した原稿を早川書房に届けに。その時、応対に出たのが、常盤新平。常盤新平、「最近、面白いのありますか?」で、菊池 光は。
「やっぱり、ディック・フランシスでしょうね」。
これで、後のベストセラー・シリーズがはじまったんだそうですね。
ジョッキーが出てくるミステリに、『警察署長モーガン』があります。1992年に、アンドリュー・コバーンが発表した物語。
「細いチノ・パンツを脱ぎ去る。ジョッキーのブリーフは濃いオレンジ色だ。」
もちろんモーガン署長の自宅での様子。どうも昔から「ジョッキー・ショーツ」というのがあったらしくて。それをヒントに生まれたのが、「ジョッキー」の商品だったようですね。『警察署長モーガン』には、こんな描写も。
「きょうはブルーのビジネス・スーツの代わりに、赤みの混じったくすんだ格子縞のスーツを着ていた。ネクタイは菱形模様で埋まっている。」
まったくの想像なのですが。「菱形模様」。このネクタイ柄は、ジャカード織りによるものではないでしょうか。ジャカードのネクタイは、佳いものですよね。