モンとモノグラム

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モン mon には、「山」の意味があるんだそうですね。モンパルナスとか、モンマルトルだとか、モン・サン・ミッシェルだとか。「モン」は、英語のマウンテンにも近いのかも知れません。門は山なり。そうも言えるのでしょう。
フランスの作家、ロジェ・グルニエの小説に、『モンマルトルの北』があります。主に、第二次大戦中の話なんですね。物語の主人公が兵隊に行って、「シュネル」という戦友に出会う話。
シュネルの出身地が、モンマルトルなので、『モンマルトルの北』の題なのでしょう。シュネルはシャンソン歌手をたくさん知っていて。有名歌手をずらりと並べた後で。

「さらにはモーリス・シュヴァリエやミスタンゲットと一緒だったのだ。」

で、主人公は戦争が終わってから、戦友のシュネルを訪ねる。

「ポトー通りを行くと、右手にリュイソー通りがあった。」

このリュイソー通りが、シュネルの家のある所なので。余談ですが、「リュイソー」は「小川」の意味なんだとか。
モンマルトルの北、リュイソー通りの、シュネルの家を訪ねると。…………。最後の、意外な一行で、この短篇は幕を閉じるのですが。
モンが「山」だとすると、日本にも、山本だとか、山下だとか、山上だとか………。山のつく苗字は少ないありません。
「モンテグリフォ」も、なにか「山」と関係のある姓なのでしょうか。『フランドルの呪画』に、パコ・モンテグリフォという人物が出てきます。『フランドルの呪画』は、1990年に、アルトゥーロ・ペレス・レベルテが発表したミステリ。モンテグリフォは、競売会社の支店長という設定。

「彼のモノグラムが刻まれている金ボタンが見えるようにするには、ちょうどそれだけ必要だった。」

これは、パコ・モンテグリフォのカフ・リンクス。金のカフ・リンクスに、モノグラムを彫ってある。たぶん「M・P」でしょう。そのカフ・リンクスが覗くように、袖口を引っ張りだした、という描写なんですね。

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