カリフォルニアとカフ

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カリフォルニア・ドゥリーミングという名の薔薇があるんだそうですね。多くはベージュを基本に、朱をおびた、大輪の花弁を特徴とするものです。
薔薇の歴史はまことに古いようで。世界各国に薔薇の歴史があるらしい。ヨーロッパにも、アメリカにも。
アメリカの薔薇で忘れてならない人物に、アッシュ・ニコラがいます。アッシュ・ニコラは、1932年に、「ソーラー・エクリプス」という新しい薔薇の品種を創っています。日本語にすれば、「日蝕」。
これは1932年8月22日に皆既日食があって。この日にアッシュ・ニコラが発想したので、その名前があります。
アメリカで薔薇を創ったアッシュ・ニコラは、もともとフランス人。北フランスのリールに生まれています。当時のリールは綿業で栄えた町。ニコラのお父さんも、綿布の商人だったのです。
お父さんはアッシュ・ニコラに跡を継いでもらおうと、アメリカに留学させたのです。アメリカのニューオーリンズへ。その頃のニューオーリンズはアメリカのなかのフランス、そんな印象でもあったらしい。
アッシュ・ニコラはある日、ニューオーリンズの町で一人の美少女に出会って、一目惚れ。彼女を自宅に送って行って、彼女のお父さんに会って。その場で、求婚。
で、ニコラは綿業から薔薇へ。フランスから薔薇を送らせては、品種改良に励んだのです。
薔薇が出てくる小説に、『遅咲きの薔薇』があります。1859年に、シュトルムが発表した物語。

「咲きこぼれた紅い八重咲きの薔薇の……………」。

同じくシュトルムが、1849年に書いた物語に、『みずうみ』があります。この中。

「エリザベートから贈られたカフスはもう着けていて、それが彼の白い粗いラシャの上衣にすばらしくよく調和った。」

これは、ラインハルトという青年の着こなし。想像ではありますが、この「カフス」は、エリザベートの手づくりの、白麻のカフなのでしょう。ぜひ一度、そんなカフを着けてみたいものですね。

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